交通費があればあきらめることはなかった:実費負担の原則は、当たり前じゃない。 | 若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog

交通費があればあきらめることはなかった:実費負担の原則は、当たり前じゃない。

 

またおいでよ、いつでも待っているよ。

 

育て上げネットでは、応能負担型の考えのもと、プログラム参加への費用負担がかなう環境であればお支払いをいただきます。しかし、相談に来る若者の大半は収入がありません。そのため、支払えるお金はありません。

 

そう考えて、プログラム利用が無料になるよう努力をしてきました。それは行政の委託事業や企業との連携、個人からの寄付など。それによって多くのプログラムに、自己負担のない無料利用ができるようになりました。

 

「参加したいけれど、交通費が出せません」

 

 

片道1,000円以上かかる場所に住む女性がいました。ご両親からは「女性は無理して働かなくてもいい」と言われ、豊かではないけど、経済的に困窮しているわけでもない家庭です。しかし、女性には収入も貯金もなく、ご両親はその価値観を曲げず、プログラム利用にかかる費用はびた一文出しません。

 

週に何日も通うとなれば定期でも月に数万円かかります。僕らは、彼女に対して交通費も出しました。そして彼女は3か月ほどで働けるようになり、笑顔を取り戻しました。

 

現場の援助職はもちろんのこと、他者に対して利他的なひとたちは、さまざまなつながりを紹介し、機会・情報を提供します。そこに費用がかからなくても、移動のための実費が発生します。

 

「またおいでよ」「いつでも待っているよ」という心からの言葉であっても、その背後には交通費など実費部分は自分で出してね、が常に見え隠れします。

 

 

一日数百円から1,000円くらいで暮す若者にとって、ある場所までの往復の交通費は、“参加無料”であっても、大きな壁となって立ちはだかります。また、暖かい気持ちをいただきながら、「交通費がない」ことによって、気持ちを反故してしまう自分の状況に、自尊心を傷つけられます。

 

私たちは、実費負担の原則が「当たり前化」されている社会に対して、そんな原則はないと言いたいです。僕らのプログラムを利用したい若者に、交通費がないことであきらめさせることのない環境を作りたいです。

 

たった数百円から1,000円かもしれませんが、それがないことで自身の環境に絶望しない機会を若者に提供したいと思い、月1,000円からのマンスリーサポーターを募集します。さまざまな課題や困難を抱える若者が、ひとたちが実費負担の原則が当たり前でない社会を一緒に創っていただけませんか。

 

 

貧困・困窮状態にある若者の「実費」を肩代わり!継続支援のお願い

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