NPOの助成金申請担当者に朗報。自由度の高い申請書(パワポ1、2枚で表現せよ!)の助成金 | 若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog

NPOの助成金申請担当者に朗報。自由度の高い申請書(パワポ1、2枚で表現せよ!)の助成金

過去、年間何本もの助成金申請書を、提出〆切ギリギリまで書いていた工藤です。ギリギリまで書いていたと言えばカッコよさそうですが、そもそも書き始めるのが〆切直前からで、結果として、落選必至な申請書ができあがります。いま見返したら読むまでもなくNGでしょう。

 

助成金申請書は、「みんなで書こう」と決めても、申請書類に落とし込むはたいだい特定の誰かだったりします。予算書とその他全部という分担はあるかもしれません。企画は楽しいんですね。あれやりたい、これやってみたい。必要な事業はこれだよね。そんな感じで盛り上がって、「これは採用だね!」という根拠なき自信が生まれて、申請担当者にぶん投げられたり。

 

それほど多くないですけど、助成金の審査をさせていただいたりすると、いろいろ気が付きます。個人的には申請資料一式の後ろ側から見ます。助成金内訳書類が最後の方だったりするのですが、もう提出〆切ギリギリくらいに作成したのかな、というのが露骨にわかることも。ギリギリだからクオリティが低いというわけではないですが、予算計上が雑駁になっていたり、「あー、最後はエイやで10,000円にしたのかな」と綺麗な数字が並んだり、上限額ぴったりだったり。

 

で、申請者側であっても、審査側であっても、やりづらいなぁと思っているのが定型申請書、主にワード。ワードなので基本的に文字情報になります。その助成金を使って成し遂げたいことの概要、概略、目的、評価、対象者、スケジュールなどが、文字で書かれてきます。文字情報だけでもきれいに見やすく【】とか使って整理してくださるひともいます。

 

ワードであっても、パワポやイラレでスクショして、スペースに当てはめることで”見てわかる”工夫をされる方もいます。どちらにしても、読み手が見やすく、それがゆえに、読んで理解が促進されやすくなったりします。それくらいはやっているひとも多いと思いますけど、どうしてもシンプルに表現しづらい内容もあります。

 

そんなとき、申請担当者であれば一度は思ったことがある「なんでワードで、文字情報なの。パワポじゃダメなの?」というアレ。そんな自由度の高い申請書を提出できる助成金が!!

 

公益社団法人 電気通信普及財団

 

NPOの助成金申請ご担当者の皆様、ご存知でした?僕は知らなかったです。理由としては、これまでは研究者への助成が中心で、NPO(など)向けは新規(昨年11月に申請締め切り終わって、来年度スタートのものから)なので。

 

テーマは、ネット社会課題対応援助(2017年度)

 

---引用---

 

情報化社会の進展に伴い、情報通信手段の利用者のリテラシー、スキルの向上や社会、教育等の課題解決に貢献するための活動を
新たに取り組んでいる非営利団体を援助します

 

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ネット社会課題対応は範囲外だな、ということもあるかもしれませんが、ネットがほとんど絡まないというのもいまやほとんどないんじゃないでしょか。範囲もここまで幅広いと何かしら「あれ、やりたいかも!}と思いつくのではないでしょうか。

 

そして本題、極めつけはこの申請書から切り出した部分。見ただけで「おー」と最初思いました。

 

 

「パワポで出していいんだ!」

 

記載事項は基本的な指定事項があっても、パワポ1,2枚なので、必然的に図や絵で完結に表現しつつ、文字で補うようになります。数字やグラフなど「これですよ!」という情報を目立たせやすくなります。とりあえず、矢印が左から右に伸びているだけのスケジュールも不要。自由に表現できます。ネットワークイメージなども一発です。

 

文字で表現することが得意であれば文字でいいですし、文字が苦手、そもそも文字で表現しづらい、長くなるといったものは別の表現手法を使えばいい。自由度の高い申請書は、得意を活かせる形とも言えます。

 

そこに目が行きますが、それに加えて直接経費で人件費が計上できたりするのは、NPO関係者であれば目が行くところではないでしょうか。一般企業の方ではイメージしづらいかもしれませんが、自分たちが動く人件費には使えなかったり、一般販売管理費相当分は計上不可というのは多いんですね。もちろん、何かやりたいことがあって、それを「助ける」お金ですので、デフォルトで必要なコストくらい自分で出すべきだという話もあるんですけど、なかなかそれも簡単でなかったりする分野や活動もありますんで。

 

いまもこういう形の助成金が増えているのかもしれません。NPOを設立してしばらくは、「採用されやすい」「お金の自由度が高い」といった情報は交換されていたのですが、当時はあまり「自由度の高い申請形態」というのはなく、いまはここまで進化しているんだと思った一見でした。

 

とはいえ、申請はしてみましたが、採用されるかは不明です。あとは(いつもの)祈るのみ。