「大学受験が夢」と語る中学生のために、慶応大学がつないだ夢。 | 若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog

「大学受験が夢」と語る中学生のために、慶応大学がつないだ夢。

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オープンキャンパスって誰のためにあるんでしょうか。基本的には高校生を中心とする受験希望者のためですよね。

育て上げネットの学習支援事業部で支援している中学生が言いました。「大学受験が夢」と。

その中学生の夢を、慶応大学に係るひとたちがつないでくれました。

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【御礼と報告】

弊法人ではいろいろな事情があって、家庭の支えだけではいろいろな困難を抱える小中学生を支援する学習支援事業部があります。

その学習支援の現場に、先日、大学生の来住 美里さんが、遊びに来てくださいました。

「大学受験が夢」と語る中学生に来住さんは、「じゃ、私の大学に見においでよ、案内するよ!」と親切にも提案してくださったのですが、最初は喜んでいた、中学生が少しずつ、トーンダウンをしていき、キャンパスツアーについては中学生の側が約束できないままで、話が終わってしまいました。

中学生たちが家に帰った後、私は、「いきたいという気持ちがあっても、家庭的な事情(例えば交通費の負担を親に申し出ることがたぶんできない等の理由)でトーンダウンしたのだと思います。せっかく誘っていただいたにもかかわらず申し訳ございませんでした」と来住さんにお礼とお詫びを伝えました。

来住さんの通う大学は慶応大学で、その中学生は、びりギャルの本を読み、憧れをもっていたらしく、「井村さん、ケーオー大学だって!初めてケーオー大学生としゃべった!!」とかなり興奮をしていました。

それから一ヶ月、昨夜、学習支援の現場に行くと、スタッフが、「今日、慶応大学に行ってきました、来住さんが、案内してくださり、普段入れないところなども見せていただき、子どもたちも大興奮でした。」と報告があり、「交通費や学食での食事代は、福澤諭吉記念文明塾の修了生の皆さんが寄付を下さり、すべて招待をしてくださいました」とのことでした。私はまったく知らなかったので、ただただ驚きで、ただただ感激するばかりでした。。。

子どもたちは大学の図書館を見せていただいたり、3Dプリンターの見学をさせていただいたり、研究室やテニスコートの見学をさせていただいたり、大学とはどんなところか、を直接ご説明いただいたりしたそうです。大学についてリアルにイメージできるようになったことと思います。

子どもたちに「何が一番よかった?」とたずねたら、「全部!」とのことでした。「大学にいって宇宙の勉強するの」と話すようになった子どもも。

「大学受験が夢(どうせできない)」と語っていた中学生は「大学受験が夢(どうしたらできるか考えてみる)」に考え方を変えることができたと思います。

来住さん、文明塾修了生の皆さん、当日案内してくださった慶応大学大学職員・大学生の皆さん、そして、来住さんを紹介くださった原大輔さん、全ての方に感謝申し上げます。子どもたちは大きな勇気をいただくことができたと思います。

いろいろな事情があって、家庭の支えだけでは、いろいろな困難を抱える小中学生の支援、困難なこともありますが、これからも頑張ろうと、私たちも大きな勇気をいただくことができました。ありがとうございました。

文責:井村良英(HR部長)

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オープンキャンパスは、「大学受験が夢」と語らざるを得ない状況の子どもたちのために、何かを拓けるのではないでしょうか。生活保護家庭の子どもたち、困窮家庭の子どもたち、社会的養護のもとにある子どもたち。

彼ら/彼女らに「大学受験が夢」と語らせる社会を変えていくため、大学ができることはないでしょうか。

僕は、中学生が行った「大学受験が夢」の言葉の続きを紡いでいきたいです。