「東京都子供・若者計画」の意見募集に、意見を出させていただきました。 | 若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog

「東京都子供・若者計画」の意見募集に、意見を出させていただきました。

東京都が、子供・若者が青年期に社会的自立を果たすことを目的とした「東京都子供・若者計画」の策定に広く意見募集をしています。僕も簡単ですが三点意見を出させていただきました。


「東京都子供・若者計画」(案)についてご意見を募集します

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意見募集ご担当者さま

私は、東京都立川市に本部を置く認定NPO法人育て上げネットで代表を務めさせていただいている工藤と申します。

「東京都子供・若者計画」(案)についてご意見を募集します、のサイトを拝見しました。広く意見募集を募り、より良質な計画にされようとしているご努力、感謝申し上げます。

すでに包括的な計画となっておりますが、三点、ご配慮いただきたい点を申し上げます。

一点目が、各市区町村が計画を立て、実施をする際に子供・若者を年齢的に包括し、また、それぞれが抱える課題などを一括で担当する部課局不在による弊害の除去になります。

それぞれの機関や部署がネットワークを構築することは大変重要ではありますが、発達に応じた切れ目のない支援体制を本当の意味で作っていくためには、さまざまな制度運用、政策実施にあたり新たな専門部署の設置が必須となります。

これまでもさまざまな施策が執り行われておりますが、子供・若者を包括する際、それぞれの市区町村での受け元部署がバラバラであり、それが故に、受け元部署の専門性に寄った運用になることが散見されます。

新たな部課局新設にはさまざまな課題もあるかと存じますが、ぜひ、各市区町村に専門担当部署の設置を促してください。


二点目は、子供・若者がその家庭状況に拠らず、必要または望ましい支援等が選択できる体制作りをお願いします。

これまで家庭が機能しない、または、家庭の経済力や保護者の理解が壁となり、制度の活用や支援を受けることを選択できない/しづらい子供・若者をたくさん見てきております。

特に経済面で言えば、多くの相談機関等は無料であっても、そこまでの交通費等「実費負担の原則」が重く、特に心身の回復や復学・就業まで時間がかかる場合、負担しきれないために制度に乗れない子供・若者がおります。家庭の状況に拠り、必要な支援を選択できない子供・若者への
配慮、具体的取り組みを促すことをお願い致します。


三点目が、広域的包括連携についてです。特に学歴にある子供たちはその行動エリアが限定されてきます。それが故に、地域・地元の支援を仰ぐことが、抱えている問題を知られてしまう不安や恐怖を越えられない場合が多くあります。

情報漏えい防止、個人情報の管理体制をしっかりすることは言うまでもありませんが、固定された「場」そのものに入ることが、何か課題を抱えていることを周囲に知らせてしまう可能性があります。

その意味で、市区町村ごとの計画や取り組みに加え、子供・若者が居住していない近隣または遠方の支援を仰ぐことのできるよう広域的包括連携への配慮をお願いします。

これは二点目とも密接に関わってきますが、地域支援の重要性が、ときに、支援の選択を
子供・若者に取らせない状況もございます。

以上、三点、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。


認定NPO法人育て上げネット
理事長 工藤 啓