死役所/あずみきし
人が死んだあとは、この死役所で成仏をするための手続きをして、天国に行くか地獄に行く、ことになるそうです。そんな死後の世界を描いた漫画です。
オムニバス形式(2話続いたりもするけど)なので、死者が主人公、で、その死者の手続きをするために案内したり、選択を迷う死者に言葉をかけるのが、この表紙左側の、死役所総合案内のシ村さんです。しむら。
シ村さんも、他の職員も、さまざまな過去がありこの死役所で働いているのですが、皆に共通しているのは、全員、元・死刑囚であること。
時々、シ村さんの周りの職員がどうして死役所に来るに至ったのかがテーマとして扱われていて、なんとなく、ぼんやりとした謎の場所で働く人たちから、人格を持った人たちとして見えてきます。
この漫画はすごいと思う。前に本屋さんで見かけて、気になったけど表紙買いはせず、それから数年たってやっと今回購入。
各話の最後に、その話の主人公が生きてきた場面の写真が沢山、アルバムのように描かれています。
死因も様々で、病死や他殺、自殺、事故死…と、一人として同じ経過で死んだ人がいない。
人の数だけその人の歴史があって、最期の迎え方も一つではなく、生き方の多様化と、人の存在の尊さを感じる漫画です。
そんでもって主人公のシ村さんは私結構好きです。まだ過去が明かされていないのですが、いつも不気味な程の笑顔なのに、自分の過去に触れられたり、過去を思い起こすことになった時にふと見せる素の顔がかっこよいです。
12巻の終わりでやっとシ村さんの過去に触れそうな感じなので、早く新刊出ないかなー!って待ってます。
アニメになってほしい。