「つまらないを愛し合えたらいいね」


昔、好きだった人にそう言われた。


僕はどうしようもない人間なので、一方的に好意を持たれると冷めてしまう傾向にある。


「僕みたいな人を好きになるくらいなら、他の人と付き合った方がいい」と、本気で思っている。


「人生は有限である事を僕たちは十分に理解しているはずだ。だからこそ、無駄な時間は無くすべきだ。ある意味、これは僕なりの優しさだ!」とも、思っている。


その一方で僕は一途である。

相手が僕に興味が無ければ無いほどのめり込んでしまう。殆どフラれた事がないからこそ、付き合えないとわかると、より一層相手を求めてしまう。情熱的でドラマチックな恋愛をしているなと、客観的に見ても思う。あの時の僕は確実に主人公であった。


思い返してみると、僕の恋愛に「普通」という言葉は当てはまらない。全てにドラマがあり、全てにどんでん返しが待ち受けていた。だからこそ、全ての恋人の思い出を鮮明に記憶している。


と、好きな人にここまでを話した時

「つまらないを愛し合えたらいいね」

と言われた。


「つまらない会話や、つまらないデート、つまらない食事を積み重ねていく事が愛情なんだよ」


「だって、つまらない日々があるから、たまにある煌びやかな日に目が眩むんだもの」


「それがきっと、大人なんだよ」


僕にはその言葉の真意が分からなかったが、

なんとなくフラれたんだなということは理解した。