読書の秋は過ぎ去り、就活生にとっては不安や楽しさの混じった就職活動の時期が到来しました。今頃、多くのみなさんが家に帰ったら、ナビサイトを見て、就活の事務的作業を行い、寝る前にSNSを見て友達の状況を確認し、一日が終わるのではないでしょうか?
今年の就職活動は二か月遅くなったことは周知の事実だと思います。
"学業"を優先した形にはなりましたが、私は個人的に将来のことを考える時間を奪ったのではないかと思います。私が就職活動をしていた二年前は10月から様々なイベントがあったので、みなさんと同じようにナビサイトを見ながら、世の中にはたくさんの仕事があるんだと胸を膨らませていました。
しかし、12月ごろになると、ナビサイトは見なくなり、その時間を読書の時間にあてました。正確には覚えていませんが、12月-3月までで100冊近くの本を読んだと思います。
どんな本を読んでいたのかというと、
法学部生だったので、
「尊属殺人罪が消えた日」
「司法のしゃべりすぎ」
「つぶせ!裁判員制度」
などの法律新書や、
経営コンサルタントに興味があったので
「問題解決プロフェッショナル」
「考える技術、書く技術」
「経営者の役割」
などの経営学の名著、
株式投資で業界研究を行っていたので
「ウォール街のランダムウォーカー」
「投資銀行残酷日記-サルになれなかった僕たち」
「裏切り-野村証券告発」
などの金融関係の面白そうな本、
自分が行っている就職活動に興味があったので、
「就活のバカヤロー」
「採用の超プロが教えるできる人、できない人」
「雇用の常識「本当に見えるウソ」
などの労働関係の書籍を読んでいました。
あと、斎藤考先生の読書関連の本、
佐藤可士和さんの効率化関係の本、
当時、大流行した稲盛さんの「生き方」など様々な本を読んでいました。
業界研究本や、SPI対策、絶対内定などの自己分析本などは一冊も持っていませんでした。
今回の記事では、どのような本を読めばいいのか?
というシンプルな質問を3つの段階で説明したいと思います。
社会全体を大きく俯瞰できる本
まず、一つ目に絶対に購入することをおすすめするのは、業界研究本です。
業種ごとに、売り上げや企業規模を見ることができるこの本はとても勉強になります。数千円で社会全体を大きく俯瞰した本を買うことは一番、費用対効果が高いです。
特に見るべきポイントは市場規模(業種の年間売り上げ)と業種間の繋がりです。そして見てはいけないポイントは企業名です。
この本の目的は社会全体を眺め、世の中がどのように構成されているのかを理解するということだと思います。さらに業種単位だけで世の中を動かしているわけではもちろんないので、業種間の繋がりや関係性をもっと見るべきです。
今、「見る」という言葉を使いましたが、業界本に答えは書いていません。あくまでこの本は整理整頓し、業界単位を理解するだけの本なので繋がりや関連性を書く必要はありません。
なので、考える必要があると思っています。
就活生の多くは見て、記載されている情報を覚えようとします。それはだれでもできることであり、インターネットを使えば、小学生でもできます。
記載されている情報から、導き出せる仮説を頭の中にいれておくということが大事なのです。そしてその仮説を普段の日常生活の中のニュースや新聞、就職活動中の説明会やOB訪問を通じて検証していくことが業界研究だと思います。
就職活動の目的を内定を取ることから社会を知ることに切り替えましょう。
自分が今やっている就職活動を知る本
みなさんは就職活動をどれぐらい知っていますか?
たぶんほとんど知らないと思います。
今自分がやっていることを正確に理解しないまま、アクションを起こすことほど非効率的でリスキーなことはありません。
社会全体からすると就職活動の認知は高いですが、ビジネスの世界に入ると"就職活動"という言葉はほとんど使われなくなり、"採用活動"という言葉に変わります。そして、採用活動には大きなお金の動きがあります。就職活動と採用活動は常にセットで考えなければいけず、就職活動という主観だけでなく、自分を客観視する技術が必要になってきます。
説明したところで、あまり意味がないので、まずは読んでみてください。
お勧めなのは就活本ではかなりのヒットセラーである「就活のバカヤロー」や、
ちょうど、昨日読み終えたばかりのこちらの本はとてもおすすめです。
みなさんが知らない現実があります。より不安になるかもしれません。しかし、現実を直視しないで、いつまでも理想論を語るのはただの子供です。就職活動は大人になる機会を提供してくれています。現状、ナビサイトのオープン日はモラトリアム終了の宣告日に近いものがあります。
是非、早い段階で読んでほしいと願っています。
志望業界の人が読んでいる本
志望業界の研究本を読むのであれば、志望業界の人が実際に読んでいる本を読んだ方がより働くイメージが湧くのではないでしょうか?
要するに、働いている人と同じことを学び、感じ、教養としておきましょうということです。もちろん働く前と後で視点は全く違うと思いますので、よくわからないことも多いと思いますが、それでいいのです。読書とは気に入った本を何度も何度も読み、新しい発見をしていくものだと思っています。
就職活動中、内定者時代、そして社会人になって同じ本を読んでも得るものは全く異なります。その時、その瞬間でしか気付ないことを学んでほしいです。
例えば、サービス業界に所属する方にお勧めの本を聞くと、
この本を進める方が多かったりします。
冒頭で述べた「問題解決プロフェッショナル」などもコンサル業界の方から勧められることが多かった気がします。ゲイリーハメルの「経営の未来」などもよく勧められていましたね。
読書はとても楽しいものです。特に私は読み終ったあと、その本で得たものについて考える時間がとても好きでした。長いときは数時間近く、考えていたこともあります。
友達と毎日、"本の紹介30秒プレゼン"をやっていたことも懐かしい思い出です。
社会人になっても一生勉強します。
大学生のうちから、読書の楽しさに気付き、学ぶこと、考えることを大切にしてください^^