久しぶりのB'zプレビュー。今回はシングル「MOTEL」。94年はB'zにとって「暗黒の時代」といわれるほど、ポップさやTM小室的路線を打ち消し、ハードやブルースへと舵をきったものの、舵の切り方も中途半端になってしまい、ある意味B'zらしさを失ってしまう結果に。
今回の「MOTEL」はその暗黒時代の最深部である。
はっきり言えば、行き詰まりの、どん詰まりもいいところ。いささかハードロック路線を意識しすぎて、とうとうここまでやっちまったよ!…みたいな感じがしてならない。

このシングルについてだが、よくもまぁミリオン行ったなぁって思う。普通、大衆受けしないこの手の曲がミリオンに行ったわけだよ。やっぱB'zはすごいのだと思うしかない。
みんなは悪く言うけど、筆者的には好きな曲である。94年のB'zサウンドも含めてだが。
これまでアイドルチックなB'zだけを求めていた女子やミーハーはここに来てソッポを向き始めたのは事実。私からすれば、そんな「にわかファン」はとにかく流行りに飛び付くだけのミーハーなる輩であり、真にロックやブルースなどの音楽を追究しようとする心がけもない、単なる飛び付き屋にすぎないと思う。
話を曲に戻そう。ロッカバラード歌謡のA面に対して、カップリングは宇崎竜童あたりが作ってそうな曲、「hole in my heart」だ。締めがまさしく菅原文太が見えてきそうな「トラック野郎」的な終わり方に似てて面白い(笑)。
この94年をもってサポートミュージシャンで構成するB'zの音楽製作集団「BUM」は解散。翌年以降、マニュピュレータの明石昌夫が編曲に関わりを持たなくなる。
暗黒時代を曝したB'zは、ハードに舵を切りすぎた点を猛省し、95年はポップ路線に、修正を加えて行くのだが…。