朝、
子供のお弁当を作り、
余ったおかずを
自分の弁当箱に詰める、
まさか、この歳になって、
次女と自分の弁当を
作ることになろうとは・・・・
会社から急ぎ帰宅し、
コンビニやスーパーの惣菜で、
適当に夕食を作る、
子供と自分、
2人分の夕食、
何をどの位作れば良いのか、
まだ分量も分らない、
まさか、この歳になって、
次女と2人だけの夕食を
作ることになろうとは・・・・
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一日は、朝5時に始まる、
弁当、洗濯、愛犬の散歩、
シャワーで油の臭いを落とし、
カバンには、日経新聞と
読みもしないNational Geographic,
その脇に弁当を忍ばせ、
片手には、
パンパンに詰めたごみ袋を下げ、
愛犬を残したまま
玄関の鍵を閉め、
颯爽と会社に向かう。
昼休みには、
デスクの上で、PCの陰に隠れ、
誰にも見られないように、
こっそりと弁当箱を開け、
急いでご飯を掻き込む。
終業時刻とともに席を立ち、
早足で駅の階段を下り、
営団地下鉄に飛び乗り、
適当に買いものをし、
適当な食事を作る、
そして、
一人晩酌しながら、
サッカーや野球を観て、
試合がないときや、
応援チームが負けているときは、
いつも、
同じタレントや
お笑い芸人が出演し、
どのチャンネルも
同じような内容の
ドラマやクイズ番組を流し、
次女と今日の出来事を話し、
そして、
食器を洗い、炊飯器をセットし、
ベッドに横になる。
そして一日が終わる。
その繰り返し・・・
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ある日、
「死別の父子家庭」
になった、
何か悪いことでもしたような、
世間様に申し訳ないような、
イクメンでもなく、
イクボスでもない、
陰湿で暗く、希望や未来、
その可能性さえも
否定されているような、
そんな言葉の並びと響き
(実際そうであったけれど)
そういうカテゴリーというか、
そういうジャンルに
属することになった
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それからの日々は、
どこにいても、
何をしてても、
いつも、涙を流し、
途方にくれながら、
自分の運命を恨み、
天を仰ぎながら、
悲しみや重圧で
ふらふらになりながら、
3年の月日を過ごし、
今では、
ストレスやプレッシャーも
いつの間にか感じなくなり、
メンタルヘルスの心配もなくなって、
「このままでは死にますよ」、
と、
内科医に脅されるような、
身体の不調も、
血液検査の異常も、
アルコールの過度の摂取以外は、
数値的にはなくなった、
全てが、
当たり前のように
ずっと昔からあったように感じられ、
自然に時が流れていく・・・・
だが、ふっと、
キャベツを切っているときや
洗濯ものを取り込んでいるとき、
風呂から上がって
体を拭いているときなんか、
あれ、これって、俺の生活か?
俺の人生は?
こんなはずではなかったはずだ、
俺は今、何やってんだ?
妻は?娘は?息子は?
何処に行った?
何故、次女と二人だけなのか?
そう、自らに問いかけ、
訳がわからなくなり、
目が眩んでしまう時がある。
長女と息子は???
そうだった・・
僕の元から巣立っていき、
今は、勉強やサークルに夢中になって、
学校生活をエンジョイしている。
時々来るラインは、
「金送れ」、と、
「ありがと」、だけだ、
妻は???
そうだった・・
あの出来事は鮮明に覚えている
僕は、妻を亡くしたのだった、
でも、
あの時、
僕の精神をズタズタにした
悲しみや喪失感、
何処に行ったのだろう?・・・
胸の奥底に、
深く静かに沈んで、
封印されているのだろうか
それとも、
新たな出会いや別れに
上書きされ、
埋もれてしまっているのだろうか
それとも、
エンドルフィンやドーパミンが
脳内に大量に生成された結果なのだろうか、
それとも、
グリーフケアが
マニュアル通りに
実践されただけのことだろうか、
この3年間に、
僕を取り巻くもの
僕に影響を与えてきたものが
激しく上下左右に変化し、
現れては消え、消えては現れ、
Led Zepの曲、
”Daisy and Confused”、
"Nobody's Faults but Mine"
のような日々だった
でも、そうやって、
いつの間にか、
気が付いてみると、
今は、
突然の激しい乱気流から
抜け出した飛行機、のように、
毎日毎日、静かに空を飛んでいる、
目的地はわからないし、
シートベルトは外せないけれど・・
死別の父子家庭、
どこに向かっているのだろうか?