熱烈★オフィスラブ
イベ始まりましたね。ヾ(@°▽°@)ノ
私は当然ユウマ
やっぱりユウマ
最後はユウマです(/ω\)
あ~今回も楽しいイベでありますように!
オーディション当日。
遥ちゃんと共に会場に到着すると――。
「…すごい人! あ、あそこにいるの、今話題の実力派俳優さんだ…。」
上村遥「今回のドラマは人気作家、咲乃先生が手掛ける話題作だからね。」
上村遥「みんなこれに出て知名度を上げたいんだよ。」
遥ちゃんは、会場いっぱいに集まった面々をぐるりと見回した。
上村遥「それにしてもここまで多いとは、僕もちょっと意外だったけどね。」
「なんか、緊張してきた…。」
上村遥「ん?大丈夫だよ。○○さんはこの中でも一際光ってるから、自信もって。」
(そう言われてもなぁ…。あれ…?)
視界の端に、それこそ一際オーラを放っている存在が飛び込んでくる。
壁に背を預けスラリと立つその姿は、人ごみの中でも目立っていた。
ユウマ「…。」
(ユウマもこのオーディション受けるんだ…!)
「遥ちゃん、ちょっと向こうの方に行って来るね?」
上村遥「えっ…?」
遥ちゃんが驚きつつも、私が向かおうとしている方向に視線を向ける。
上村遥「ああ…ユウマくんも受けに来てたのか。知らなかったな。」
上村遥「○○さん、僕も一緒に行くよ。」
「ユウマ!」
自然と弾む声で名前を呼ぶと、ユウマは読んでいた雑誌から顔を上げた。
パタンと雑誌を閉じて、僅かに丸くした綺麗な瞳で私を見つめてくる。
ユウマ「………。」
「ユウマも受けにきてたんだね。何役で来たの?」
ユウマ「同僚役。俺は特に興味なかったんだけど…。」
ユウマ「マネージャーがこの作品はすごく良いから、オーディション受けようって。」
ユウマは淡々とした口調で話しながら、隣にいるマネージャーさんをチラリと見る。
上村遥「まぁ…マネージャーとして担当の子が良い作品に出られるよう、チャンスを掴もうとするのは当たり前だしね。」
私の隣で頷く遥ちゃんを見て、マネージャーさんの目がキラリと光る。
マネージャー「そうなんです! この作品は本当に奥が深くて…!」
(これってもしかしてマネージャーさんが物凄くファンなだけだったりして)
ユウマ「………。」
熱弁をふるうマネージャーさんに苦笑いをしていると、ふっと視線を感じた。
「? ユウマ、どうかした?」
ユウマ「いや、 これなら楽しくなりそうって思ってただけ…。」
未だ遥ちゃんに熱く語っているマネージャーさんを横目に、
ユウマが私の耳元にそっと顔を近づけてくる。
(え…!? ユ、ユウマ?)
ユウマ「お前がいるから。」 (///∇//)キャー
こそっと耳元で囁かれた言葉は妙に艶っぽい響きを帯びていて、
私はその場で固まったまま頬が熱くなるのを感じていた。
眞田恭介「あ、○○さん。」
斎藤隼都「おっ! 来てたんだな。」
数分後。聞きなれた声がして振り返ると、眞田さんと隼斗が立っていた。
更に――。
レオ「あれ、皆さんお揃いですね。」
紗綾「ユウマくんこんにちは♪ え~また貧乏女優も一緒なの?」
「レオ君に紗綾さん…!」
見慣れたメンバーがズラリと勢揃いして、周囲が一気に賑やかになる。
眞田恭介「みんな来てたんだね。話題作だし、咲乃先生自ら監督だから当然かな。」
ユウマ「…総ちゃんも受けるんだ。」 わっめっちゃ笑顔、カワイイ(/ω\)
「えーっと、みんなはどの役を受けに来たんですか?」
斎藤隼斗「オレは社長。やっぱ社長っしょ!」
眞田恭介「社長も魅力的だったけど、課長も中々の曲者でね…。そういうわけで俺は課長役を狙うよ。」
紗綾「紗綾は、セクシーな産業スパイの役を受けるの。セクシーっていったら紗綾でしょ?まさかアナタもじゃないわよね?」
「あ、いえ。私は新人OLの役を受けます。」
レオ「僕は新人OLの弟役ですよ。マネージャーに薦められて…。」
レオ「まぁ一番しっくりきそうな役ですよね。」
眞田恭介「へぇ。みんな見事に分かれたね。」
(ほんと、被らなくて良かったかも。それにしてもみんならしいなぁ…)
みんなの言い分に納得していると、スタッフさんたちが部屋に入ってきた。
斎藤隼斗「時間か…よし、うかって見せるぜ。」
緊張感がひしめく中、私はすっと深呼吸をして気合いを入れる。
「みんな、オーディション頑張りましょうね!」
――そうして、オーディション終了後。
(…一生懸命頑張ったけど…)
私は審査員席の前に立って、長い沈黙に耐えていた。
審査員の一人、咲乃先生が何やらしきりに考え込んでいる。
(これって…ダメってことなのかな…)
と、咲乃先生がふっと顔を上げた。
咲乃先生「いいわ。アナタ、合格ね。合格者のみ集まる別室に行って下さい。」
「! はい。ありがとうございます!」
「はぁ~…緊張した。咲乃先生ってなんか迫力あるな…。」
(でも無事に新人OLの役、合格出来て良かった…)
告げられた部屋に向かって歩いていると、スラリとした後ろ姿が横切った。
(あ、ユウマだ…あれ? 部屋、通り過ぎて…)
私は急いでユウマに近づくと、ユウマの片手を捕まえる。
「ユウマ、ストップ!」
ユウマ「…!?」
「ユウマ、合格したんでしょ? 部屋はここだよ。」
通り過ぎた部屋の入り口を指して見せると、
ユウマは、私が握っている手と部屋を交互に見つめた。
ユウマ「あ…そう。 じゃあ行くか。」
「え…。」
短く言うと、ユウマは私の手をぎゅっと握り返して部屋へと歩き出す。
「ちょっ、手は離して。」
ユウマ「なんで?」
「何でって誰かに見られたら大変だし…それに…。」
(…ずっと繋いでいたくなる…)
私は何も言わず繋がれた手を見つめていると――、
ユウマ「それに?」
――ユウマがすっと身をかがめて顔を覗きこんでくる。
(わ…ち、近い!!)
慌てふためく私に、ユウマはフッと笑みを零して手を放してくれた。
ユウマ「いまの面白かったから満足した。」
ユウマと共に部屋に入ると眞田さんや隼斗、レオくんに紗綾さんの姿もあった。
(さすが、みんな合格出来たんだ! 良かった)
ポンっと音がして、咲乃先生が手にしたマイクのスイッチを入れる。
咲乃先生「合格者の皆さん、おめでとうございます。では改めて順に配役を発表していきましょう――。」
咲乃先生「――それでは次、メインキャストを発表します。まずは新人OLの弟役から。」
(あ、レオくんが受けた役だ…名前呼ばれるの楽しみだな)
咲乃先生「ここで、異例となりますが一部配役の変更をさせていただきます。」
咲乃先生の言葉に、ざわめきが起こる。
咲乃先生「新人OLの弟役は――安西直人さん。」
レオ「……!?」
(うそ…まさかここまできて不合格、とか?)
咲乃先生「新人OL役には、紗綾さん。」
(ええっ…紗綾さんってことは、私も落ちたの…?)
マイク越しに響く咲乃先生の声に、一瞬頭が真っ白になる。
紗綾「何で紗綾がOL? 主役で合格じゃなかったの!?」
紗綾さんが声をあげたものの、咲乃先生は動じることなく発表を続けていく。
咲乃先生「同僚役は、斎藤隼斗さん。」
斎藤隼斗「…えっ、なんで!」
咲乃先生「課長役、ユウマさん。」
ユウマ「…は?」
咲乃先生「社長役、眞田恭介さん。」
眞田恭介「………。」
(みんな、受けたのと違う役になってる…)
斎藤隼斗「マジかよ…眞田さんが社長か…。」
眞田恭介「驚いたな。ユウマが課長で、俺が社長とはね。」 ええ、ついこの前のイベはユウマ高校生役でしたものね(*^.^*)
ユウマ「…課長…?」
隣に立っているユウマを見ると、流石に困惑した表情を浮かべている。
(残りは…産業スパイの仲介人役と主役の産業スパイ役だけ…)
咲乃先生「――産業スパイの仲介人役には…レオさん。」
レオ「僕が仲介人ですか…?」
(レオくん、落ちたわけじゃなかったんだ…良かった)
(でも…これで残りは主役だけ。やっぱり私だけ落ちたのか…)
オーディション時の咲乃先生の様子が思い出されて絶望的になった、その時。
咲乃先生「最後に、このドラマの主役となる産業スパイ役を発表します。」
咲乃先生「産業スパイ役には…○○○○さん。」
「………!?」
(…あれ、 今…私の名前呼ばれた?)
驚いて顔を上げると、周囲の視線が一斉に私に注がれている。
(うそ…私が主役? これって何かのドッキリとか…?)
余りの事にパニックになっていると――、
「えっ…!?」
――隣から、むにっと頬っぺたを摘まれた。
ユウマ「何ボーっとしてんの…? 主役だろ。嬉しくないの?」
私は、ユウマに頬を摘まれたまま口を小さく開く。
「ひまましゃにうそかとほもってほほしゅねろうかとほもっ…。」
ユウマ「ふっ。 …何言ってるか全然分かんない。」
ユウマがおかしそうに笑う。それにつられて周囲の空気も一瞬和んだのだった。