もう、5年以上前の話になるが、バイクで交通事故に遭った。前方確認を怠ったまま右折してきた乗用車と衝突した。

 

右大脳半球脳表くも膜下出血、左硬膜下血腫、左高位前頭葉脳挫傷、右横突起骨折、右股関節後方脱臼、右大腿骨骨頭骨折、非荷重面骨頭骨折、左鎖骨遠位端骨折、肩鎖間接亜脱臼、肩甲骨烏口突起骨折。

 

いつでも読めるように、メモをしてある。

ただ、何度読んでも、説明がなければ何が書いてあるのか理解できない。

言葉の意味も知らなければ、言葉同士の組み合わせも頭に入ってこない。

それでも、とんでもないことが起きたのだということだけは、字面から伝わってくる。

 

裁判は、まだ続いている。

11月は、毎日2時間ほどの睡眠しか取れないまま、裁判資料およそ1700枚を、徹底的に読み込んでいた。

同時に、自身に必要な範囲で、裁判の進め方や弁護の在り方、法律についても頭に叩き込み、自分なりに判断した結果、担当弁護士との契約を解除した。

明らかな弁護士過誤だった。

 

人に紹介なんてしてもらうもんじゃねぇ。自分で探せ。

楽な方を選ぶと、こういう結果になる。そのことを、身をもって学ぶことになった。

 

契約解除を検討しながら、後任の弁護士を探していた。

調べて、問い合わせて、事情を説明して、その繰り返しだった。

相談料は、阿呆ほど高い。

それでも運良く、専門性が高く、その分野で日本一の実績を持つ事務所と契約することができた。

 

裁判資料を読み進める中で、交通事故から半年後に受けた、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士による検査結果と診断書が出てきた。初めて目を通した。

あの頃のことは、あまり記憶に残っていない。脳みそが壊れていた。

 

結果としては、IQが120あるらしい。

知能は、そこそこ良いらしい。

少し調べてみると、知能指数が高くても、インプットがなければアウトプットはできないらしい。

当たり前か。

 

記憶を遡ると、確かに、やらなかった時は悪い結果が出ていたし、取り組んだときは、人よりそれなりに良い成果が出ていた。

 

監督作は、日本代表作品に選出された。

小売りでは、日本一を2つのジャンルで確立した。

編集を担当した作品も2本、アニメ化された。

 

学生の頃は、成績は死ぬほど悪かったし、留年もしている。

授業の9割は、寝て過ごしていた。

 

「やれば出来る」という言葉があるが、そんなものは実在しない。

やっていない。それだけ。

 

「学校教育は洗脳と訓練」と思っているので、そこに意義を見出さなかったことに後悔はまったくない。

ただ、当時はそれを言語化できていなかった。

 

ただ、留年までする必要はなかったとも思うし、あの時間を使って、もう少し角度のついた行動ができたはずだ、という感覚も残っている。

 

ライブハウスを自分で借りて、ライブを主催したりもしていた。

いま思えば、たいしたことではない。

他の経験もあったが、さらに多くの経験と体感が必要だったし、もう少しリスクを取ってもよかったはず。


調べてみると、学習指導要領の内容のうち、7割ほどは実生活では役に立たないらしい。

あれが必要な知識なのだと洗脳され、横一列に並ばされて訓練を受ける構造。

この構造における最重要点は、知識を身につけることではない。

言われたことをやる、その訓練を日々積み重ねることだ。

 

ミスター平均値、バランス型の大量生産工場。

ただ、これがいちばんリスクが少なく、効率よく、税金製造機を作れる仕組みなのだから、この工程が組まれているのも、致し方ない。

ただ、俺のいる文化圏では、この言葉は、最も屈辱的な部類に入る。

 

25を過ぎた人で、こちらが聞いてもいないのに、どこの大学出身だとか、偏差値がいくつだとかを語り出す人の中に、面白い人間はいなかった。自分の軸が、あまりにも希薄に見える。

掴みもなければ、オチもない。概念的な話をすることもなく、広がるような議題を投げているのを、見たことがない。

話していて魅力的だと感じる人は、いまこの瞬間と、これから先の話をしている。

 

何事も、行き着く先は独学でしかない。

学びの瞬間は、結局のところ、体感でしか掴めない。

 

本を読むと、語彙力や読解力、論理的思考力、想像力、集中力が身につくと言う人がいるが、違う。

自分で書け。そのほうが、はるかに身に付く。

どのジャンルであっても、本は楽しむものだ。

学びに重きを置こうとするから、間口が狭くなる。

 

新聞を読みなさいとよく言われるが、違う。

現場に行け。人に会え。話せ。

知識ではなく、理解が生まれる。

ただ、その土台として、時事だけは掴んでおく必要がある。オールドメディアからの取得は不可能で、あれは記事があまりにも作為的すぎる。一次情報が必要だ。

 

ギター教室に通っていたパンクロッカーほど、ダサいものはない。

ヒロトは、そうじゃない。

リアルを生きていないラッパーの書くリリックに、心が動かされることはない。

 

泥水をすすれ。

漫談が増えるぞ。

 

稼ぎが少なかった頃、これを買えばガス代の支払いができなくなると分かっていながら、絶版の黒澤明大全集を数万円で買った。冬に水のシャワーを浴びながら、『天国と地獄』のシナリオを読んでいた。

あの選択は、いまでも正しかったと思っている。

 

脳内に流れた思考を、そのまま一筆書きしたので、さすがに駄文が過ぎるな。