蕎麦猪口(そばちょこ/そばちょく)については、過去4回アップしましたが、別の角度から見分してみます。
300年以上前から親しまれてきた蕎麦猪口は、江戸前期は上流階層がお膳の向こう側におかずを入れ「向こう付け」的な用途で使われていました。
その後の江戸は蕎麦で商いする店が4000軒にも膨れ上がり自然に蕎麦にも用いられるようになったそうです。
原点は古伊万里にあり、口径が凡そ7㎝・底径凡そ5㎝前後で、大きさ・重さ・厚みが蕎麦の汁入れに合致したのでしょう。
現代でも大変使い勝手がよく「雑器」ともいわれます。
絵柄はあらゆる食器の中でも洗練されていて、他に類のないほど豊富で、植物・動物・天体・風景・幾何学模様等々、独創的でバラエティに富んでいます。
九谷焼
器の底に描かれた「見込み」という図柄を覗き見るのも楽しいものです。
「蕎麦に凝ると蕎麦猪口にも凝っていく」というのが常道のようで「刀に凝ると鍔にも凝っていく」という過程にも似ていて面白いですね。
蕎麦猪口は長い間無事に生き続けてきたものも現存していますが、年代は裏をひっくり返すとある程度の推測が出来るそうです。
裏全体に釉薬(江戸初期)、裏の中心に釉薬(江戸後期)、釉薬なし(明治以降)と判別できる、と専門家はいいます。
蕎麦猪口について他の蘊蓄は過去ブログの通りです。
有田焼
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