明かりなし蕎麦(燈無蕎麦)と消えずの行灯/百鬼夜話の一話 | そば雅 (そば打ち職人)

そば雅 (そば打ち職人)

長野へ出掛けた帰り道に檜の麺棒を購入したのがキッカケで蕎麦打ちに挑戦しましたが実に難しく、美味しい手打ち蕎麦を極めようと独学で研鑽。
今では蕎麦の奥深さに魅了され、少しでもこの思いを広めたい、と思っています。

 

(明かりなし蕎麦/燈無蕎麦)

 

江戸時代の本所南割下水(現在の東京都・墨田区)近くに、夜になっても行灯の火がついていない無人の蕎麦屋がありました。

客が何度呼んでも、いつまでたっても店の主人は出てきません。

不思議なことに店内は暖かく、お湯も沸いて蕎麦の香りもするのです。

客は商売に差し支えるだろうと思い、火打ち石を使って行灯に火を灯すのですが、どこからともなく風が入り込んですぐに消えてしまいます。

何度火をつけても消えてしまうのです。

何人もの客が訪れて同じように火をつけるのですが、すぐ消えてしまうという繰り返しです。

訪れた客は結局諦めて皆帰宅するのですが、何故かその後は決まって客の家に凶事が起きるのです。

 

(消えずの行灯/燈無と真逆の話)

誰も給油していないのに行灯の油が一向に尽きず、一晩中どころか何日たっても夜になると、いつの間にか勝手に行灯に灯がともります。

この店に立ち寄ると不幸に見舞われる、という伝承。

 

当時は夫々の話が狸や狐の仕業といわれ、歌川国輝という浮世絵師が狸として描いています。

 

現代と違って色々な音や明かりの殆どない時代、多くの怪談や迷信が闊歩していました。

ホラーなど何もない時代は、暗がりだけでも怖がられた時代ですね。

 

 

-歌川国輝-

歌川国定の門人で嘉永から安政にかけて活躍。

 

 

 

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