先週見た「ポーの一族」、この余韻が素晴らしく後を引いて、脳内でエドガーとアランが手を取るたびに面倒な局面も乗り越えられる!と力をもらっています。
(現在のリアルったらもー果てしなくめんどくさいことに転がり落ちていっててもーたいへんなんですよーってことからの逃避ともいうね)
幕開きのエドガーの復活はそらもう筆舌に尽くしがたい「極上の美」だったのだけど、その横に控えしシーラ(ねねちゃん)とメリーベル(あーちゃん)の「あの体育会系の星組でトップを張った娘役」がものすごいオーラを放って目がくらむ。
シーラ、美しいシーラ。その美しさと男爵からの永遠の愛を受けているという絶対の自信。
もちろん初演・花組のトップ娘役のゆきちゃんもすごかった。初演でなにもないところからあのシーラを、って力も素晴らしいのだけど、再演で見せてくれたねねちゃんシーラが別の方向から心をわしづかみにしてくれまして。あんな可憐なお嬢さんが、妖艶な男爵夫人・美しい姿のまま300年近く生きてきた女性のなまめかしい狩りの姿、ねねちゃんすごい。クリフォード・橋之助さんをたぶらかす(言い方!)そのしなやかな肢体、見破られた時にその妖しさでとりなそうとし、そしてそれがかなわないとさとったときの表情、ああもう見事。
宝塚版では、パイク4世に撃たれ、続いて放たれた弾丸で死にゆくポーツネル男爵の腕の中で、二人一緒に違う世界に行ってしまうのだけど、
梅芸版では、撃たれたシーラがボレロをかなぐり捨て、胸に血の付いたブラウスを見せつけながら両手を広げて男爵をかばう!愛している人をかばって先に消滅してしまうのだ。その時のねねシーラの美しい顔!(シーラ消滅後に男爵も撃たれ、黒いマントを翻して消滅します。それはそれは美しいご最期…)
ねねちゃんにシーラをあてた小池先生大勝利。
もう一人の星娘1・あーちゃんメリーベル。
登場した瞬間から、かわいい。
くるくるまわるだけで、かわいい。
(最初に登場したときに、ドレスの前方センターの一番下のレースがちぎれてぶらぶらになってて、「あーちゃんからは死角だからひっかかると超あぶない!針と糸!だれか、お衣装担当はいないの?えっ」とひとりひっそり興奮して舞台に支障ないか手に汗握ってしまった。次に出てくるところではちゃんとなおってました。よかった♪)
エドガーみりおくんのやわらかい愛に満ちた視線を受けるあーちゃんが「愛されてるのよーーー!!」ってしっかり放ちながらうふふと笑うのが超かわいい。
かかとのないぺったんこの靴でぱたぱたあるき、みりおくんの傍らではふっくらとしたスカートの中でみごとな膝折りで男役を立てることを自然に実行、かわいい。
そしてブラックプールの場面からは、見た目は可憐な少女なのだけど中身は長い時を生きているいろんなことを知っているバンパネラを見事に演じて、みりおエドガーの庇護の下でしか生きられないことを素晴らしく表現する。ああ、かわいい。
診療所で十字架を拾うように言われて手を伸ばしてからひるむ様も、エドガーの名を叫ぶときも(ヒステリックにキーキーいうのではなく)こころからら「ここにきて」と言っているようだった。銃弾に倒れたあとくるくるリフトされて後方にはけていき(老ハンナは迎えに来なかった…)ひとりで消滅する羽目になった悲劇を見た。
あーちゃんメリーベルは本当に光の粒になって消えてしまうかと思った。可愛かった。可愛かった。ああ可愛かった。だから余計に、かわいそうでかわいそうで仕方がなかった。仕方がなかったから、余計にかわいそうで…(どうどうめぐり
あーちゃんにメリーベルをあてた小池先生大勝利!!
もう一度見たい、チケットはある、でも時間変更になってしまいかなりきびしい(大号泣
梅芸で払い戻しも始まった…。
ライブ配信で見るかなーー。。ううう。