さらに進化していく宙組博多座のエジプト(2)あの豊かなアフリカの大地よ | お蕎麦と昆布のいる暮らし

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こちらはMomohouseです。
2匹の猫
・闇のような黒猫 :昆布
・天真爛漫
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キャット:小麦
& 飼い主(下僕)ももちんの
日常やまわりのできごと
できたことできなかったこと
日々是好日♪

稽古場レポートでもNOWONでも、1幕2幕とも一番初めに舞台で口火を切ることにたいして相当なプレッシャーを訴えていた、ずんちゃんウバルド。

前回大劇場のエリート軍人から一転、地を這うエチオピア難民にして王子でテロリスト。そんでもってヒロイン・みりおんアイーダの双子の兄の設定。
幕開きで一番はらはらした短剣キャッチに成功してから(しないと困る)ぐんぐんお芝居を引っ張っていきます。いや、カッコイイね!!
双子設定はお芝居の中で語られることなく、アイーダが「にいさん!」と叫ぶくらい。一緒に育ってきたのに、敵将ラダメスなんかと恋に落ちやがって・・きーーっ!っていうのはあんまり見られなかったな。これから進化していくかしら。「神に許されている」からファラオ暗殺の狂気ももーちょっと作りこんで欲しいな。。(てか、前回でっかいゆりかがその体躯をぞんぶんに生かした表現をしていたから、それに受けてである私が感化されすぎているのかもしれない)

りくカマンテの怒りがすごかった。前回のロイヤルあっきー様とは違うんだぜ。もうもうめっちゃ怒ってる。エチオピアの敵対相手のエジプトも、負けてしまったエチオピアも、囚人のわが身も、敵将を愛するアイーダも、なにもかもにもすごく怒っている。その怒りのやり場がなくて困ってる。歌の端々、せりふの言い方、身振り、「りくカマンテはすごくお怒り~~!」そしてやりきれないくらいの哀しみも伝わってきました。りく、すげー(←語彙不足 

前回のエチオピアの歌手からサウフェになったもんち。登場するなり横でコムスメが「ジョージ!」
ちがう!ジョージはロンドンのおかまスタイリスト。ここはエジプトでテロリスト。

悲しみをたたえた表現が秀逸でした。
「神に許されている」から、どんどん狂気の暗殺に傾倒していき、暗殺シーンでの迫力!もんちこんなすごいお芝居もできる!どんだけたくさん引き出しを持ってるの!目が離せないひとりです。

ファトマせーこさんの迫力と落ち着きが凄みをたたえていました。
今回はエチオピア兵になっての立ち回りもあり、舞台狭し、そして出ずっぱり。エトワールもさすがで、横でコムスメが手をグーにしてよっしゃー!!
そしてなによりもエチオピアのコーラスが博多座に響き渡る。最初のシーンから鳥肌ものです。劇場の音響がいいのか、縦に狭いから反響するのか、素晴らしいハーモニーに全身包まれ耳が幸せをとらえます。

コムスメの娘役イチオシは桜音れいさん。
冒頭シーンからでてきて、大喜び。高音がすごく綺麗な方なんですよ!!お目々が大きくて、悲しいシーンでは今にもその目からなみだがこぼれるんじゃないかと見つめてしまいます。エチオピア兵でも活躍していて、剣を持って勇ましいシーンに怪我しないでと願いました。フィナーレご挨拶では下手側に並んでいて、そのかわいいお顔を存分に(まぁさまと半々くらい)見ていました。ああ、かわいい。

豊かなエチオピアを結果的に壊滅させてしまうアモナスロ。
でもエジプトに隷属なんかしたくなかったのよね。略奪によって栄えてきたエジプトに攻め込まれなければ、美しい麗しい国で双子の子供たちと収穫を祝って過ごしていたのにと想像すると本当にかわいそう。その狂気な戦闘への駆り立てと、結果を見てもなおそれを受け入れられない悲しさ。
一樹さんのアモナスロはまたもや進化を遂げて、狡猾さをにじませながら狂気にいたるまで、そして荒廃した自分の国への絶望焦燥悲嘆、一樹さんでしかできないでしょう。それを見ることができて本当によかった。

豊かな国、風薫るアフリカの国の王女アイーダ。
みりおん、ありがとう、ありがとう。

博多にいって、ほんとうによかった。