こんにちは！
グリーンビューティーラボの井藤まさこです
九州で生まれ育ち、ごく普通の家庭で育った私が、
なぜ国際結婚してマレーシアで子育てをしているのか、
今回はこれまでの私の岐路についてシリーズで書いています。
私が入学した大学院はライト兄弟の生誕地
オハイオ州はデイトンにある
デイトン大学という私立のとても美しい学校。
9月の学校開始に合わせて
彼と共にオハイオへ引っ越し、
大学の近くに二人でアパートを借りました。
マレーシア人の彼は私の大学院入学に合わせて、
デイトンで就職活動をして就職することになっていました。
大学院生活では、
毎日100ページ以上もある教科書や文献を読み、
エッセイを書いたり、リサーチをしたりしながら
週20時間の教授のアシスタント業務をこなし、
パートタイムでセラピストの仕事もしながら、
金曜日には同じ大学院の友人達と
アイリッシュバーに繰り出したり。
大学院生生活は思った以上に
楽しくスタートしました。
ある朝、何となくテレビをつけていたら
大火事の放送。
「どこだろ～？」と思いながらも
学校に行く時間だったので、
あわててテレビを消して
学校へ歩いていきました。
構内に行くと、なんとなく
皆の様子がいつもと違って
ざわついていました。
たくさんの学生が大講堂の
大型テレビのスクリーンを
食い入るように見ています。
私も気になったので見てみると、
さっきテレビでチラッと見たビル火災の放送？
ではなくて、よくよく見ると、
飛行機がビルに突っ込んで
燃えていたのです。
さすがにただ事ではないと思って
スクリーンを眺めていた次の瞬間、
二機目が隣のビルに突っ込んだのでした。
2001年9月11日
その光景をみても
皆何が起こっているのかわからず、
ただ呆然と立ち尽くすばかり。
泣き出す学生。
“Ｏｈ ｍｙ Ｇｏｄ！”と小さく叫ぶ声。
携帯の鳴る音。
映画では何度でも見たことのあるような
ビルが燃えているこの光景。
映画だったら、大変！と思う頭の裏で
「でもこれは事実じゃないし」って
楽観視している自分がいて
動揺することもないですが、
この映画のような光景と、
これが現実に起こっているということに
頭が少し混乱し、気持ちを切り替えるのに
しばらくかかりました。
あの燃えているビルの中には人がいる。
そんな現実が私の目を覚ましました。
遅れてクラスに行くと、
その日の授業はすべて休講。
私はそのまま友人とチャペルに集って
一緒に祈りを捧げました。
なにかに祈らずにはいられませんでした。
《この世の中に確実なものなど何も存在しない》
ということを実感しました。
次の日にはどの家にも
アメリカの国旗が掲げられていました。
その国旗は「逆境にも負けない」という
アメリカ人の強い意志の現れのように思えました。
そして、人々を救出しようとして
勇敢に働いた消防士や警察官など
平和で安全な社会をつくってくれている
本物のヒーローたちの存在に感謝するとともに、
安全などというものは
実は存在しないこと。
そして命のはかなさと
大切さを痛感しました。
《未来は一瞬にして変わる事がある。
だから私たちは与えられた
今という時間を大切に生きなくては》
その事を体感した出来事でした。
【私の岐路⑧】あまり思い出したくない日本での暗黒時代 へつづく
