ソープ嬢に、恋をして。

ソープ嬢に、恋をして。

お店で出会った姫を好きになった俺。してはいけない恋だと分かっていても、その想いは強くなるばかりでした・・・。

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その声の主はサクラだった。

俺は緊張して何を話していいか
言葉に詰まった。

救いだったことは、俺のカラダに
アルコールが入っていたこと。
酔いの力を借りて何とか話をすることができた。

「久しぶり。今日は仕事だった?」

「今日は休みだったから一日寝てたの」

姫の仕事は相当体力を奪うらしく、休みの日は
何もする気が起きないらしい。

とにかく寝溜めをするようなことを言っていた。

その日は、夕方に起床して犬の散歩や
スーパーに買い物に行ったみたいだ。

そして俺は、話を本題へと移した。



待ち遠しかった翌日のこと。
俺はその晩友達と飲んでいた。

電話をするのにあまり遅い時間に
なってはいけないと気にしつつも、
久しぶりの旧友との出会いに話に華が咲く。

数時間後、ほろ酔いの中友達と別れたが、
時は既に11時を回っていた。

俺は慌ててサクラが教えてくれた番号に
電話をかけた。

「ホントにサクラの番号なんだろうか…」

コール中、俺はドキドキしていた。
電話を掛けるのにこんなに緊張するのは、
久しぶりのことだった。

10秒くらいコールを鳴らしているが、
サクラは出ない。

「やっぱり…」と思ったその時――。

「もしもし。」

受話器の向こうから女の子の
声がしたのだった。
「次また会いに行きたいんだけど、
 予約について電話で話したい。」

俺なりの賭けだった。
果たして電話番号なんて教えてくれるのか…。

メールよりも電話で話すことのほうが
一歩距離が近くなるように思っていた。

そして、メールの着信が鳴った。

明日なら電話に出れるからと、サクラの
番号が送られてきた。

客だからといって、こんなにアッサリ
番号を教えてもいいのか。。。

あっけない出来事に、ネガティブな感情が
俺を包んだ。

ただ、番号をゲットしたことは事実。
次の日が待ち遠しかった。
俺もサクラへの返信のメールに、
他愛もない内容を綴った。

ソープ嬢と客という関係から、
友達という関係にステップアップできたら…という想いだった。

メールのペースは二日に一回。
もう来ないんかなと思うと、忘れた頃にメールがくる。
携帯にサクラの名前が出るだけで、テンションが上がった。

そんなメールのやり取りをして一週間。

まだ気が早いかと思ったが、次の休みにサクラに
会いに行こうと決心した。

予約が取れない姫だが、こっちにはもう連絡を
取れる手段がある。

直接、サクラに予約を取ってもらう“姫予約”
となるものが可能なのだ。

俺はそのことを伝えるため、
サクラにメールを送った。

そしてそのメールで、俺はひとつの
賭けに出たのだった。
メールを送った当日は、待てど暮らせど
返事は返ってこなかった。

「まっ、こんなもんだろ」

予想通りの結果だった…。
それでもまた会いたいという気持ちは
衰えておらず、つくづく自分の馬鹿さ加減が身に染みた。

だが、翌日のこと――。

一通のメールが届いた。
サクラからの着信。

その内容は、デコメで飾られた今時の
女の子のメールだった。

犬と遊んでたことや夕飯に何を作っただとか。
そんな他愛もないこと。


それが嬉しかった。