本当に出るとは思わなかった。その声の主はサクラだった。俺は緊張して何を話していいか言葉に詰まった。救いだったことは、俺のカラダにアルコールが入っていたこと。酔いの力を借りて何とか話をすることができた。「久しぶり。今日は仕事だった?」「今日は休みだったから一日寝てたの」姫の仕事は相当体力を奪うらしく、休みの日は何もする気が起きないらしい。とにかく寝溜めをするようなことを言っていた。その日は、夕方に起床して犬の散歩やスーパーに買い物に行ったみたいだ。そして俺は、話を本題へと移した。