リング禍とスポンサー | PFPへの旅

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リング禍という言葉をご存知だろうか?りんぐかと読むがボクシングに於いて試合中や後に死んだり重大な事故が起きたことを指す。

おおよそボクシングほど、命の危険がつきまとうスポーツは他には無い。実は死亡事故は国内だけでも毎年のように起きていて、世界戦でも死亡事故は起きている。
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ボクシングは最も保護されるべき頭への攻撃が中心だ。(もちろん後頭部への打撃は禁止)相手の前頭部へ出来るだけ強いパンチを入れた方が勝つ。悪く言えば殺し合いのようなものだ。

誤解があるが、重量級は事故が少なく体重が軽くなればなるほど事故が多くなる。これは競技人口もあるのだが、大きな理由はパンチが軽いため結果的に多くのパンチを受け脳のダメージが蓄積するのだ。
試合を見ていると分かるがクリーンヒットは断然軽量級の方が多い。当たり前だ。ヘビーでクリーンヒットなら即KOだ。12ラウンドまで戦った場合、軽量級では多い時に500発以上のクリーンヒットがある。恐らく世界的に見て一番リング禍が多いのはバンタム級~フェザー級だろう。
そう言えばジムに所属すると必ず保険に入るのだが、あれは結局何に使われているのだろう?
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さて皆さんは日本の現役世界チャンピオンが全国区のCMに出てるのを見たことがあるだろうか?俺はちょっと記憶に無い。理由は簡単だ。そうだ。リング禍があるからだ。
スポンサーの中にもボクシング好きの社長も多いだろう。しかし万一起用したチャンピオンがリング禍に巻き込まれた時を考えるとどうしても二の足を踏むのだ。他の競技の世界チャンピオンはマイナー競技でもほぼCM契約があるのに淋しい限りだ。

安全面はボクシング界も年々配慮してきた。15ラウンド制を12ラウンド制にしたり、早めのレフェリーストップや試合前中後の厳しいドクターチェックがそれだ。昔の試合を見ていると、フラフラになりながらの試合も結構ある。しかもレフェリーがなかなか止めないのでそれこそTKOよりカウントアウトが多い。しかしその対策も外部からやれる限界に達している。
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究極的にはボクサーは自己防衛するしかない。カス・ダマトが言った「ボクサーの理想は打たれないところから打つことだ。打たれなければ負けないのだ」を目指し練習するしか無いだろう。ボクシングはまさに命がけのスポーツなのだ。しかしそれこそが最大の魅力なのだが…。







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