頭がカタくなる本ばかり続いたので、何となくタイトルで選んだ本。
面白いので冷蔵庫に入れる。
「怪文書(六角弘)」
『どこから飛んでくるのか、まったく予想ができないし、犯人の特定も難しい。
まさに闇討ち、通り魔に合うようなものである。しかし、たとえ嘘の内容でも、一度人の
噂話に登場すれば、燎原の火の如く、またたくうちに広がってしまうのが怪文書だ』
とのこと。
筆者が元/週刊文春の記者ということで、非常に詳しい。
怪文書についてはあまり触れられない。どちらかというと「黒い政治経済(現代版)」
といった感じで、怪文書がバラまかれた政財界の汚職事件解説がメイン。
筆者の取材模様が描かれて、非常にダーティな世界が垣間見える。
【考え事】
・筆者によれば、怪文書ブームは、①東京オリンピック(1964)前後の高度経済成長期、
②バブル経済崩壊直後の90年代初頭、③現在(2013年頃)に分かれる。そして、
文書中に含まれる真実の含有率が上がっているとか。
肉筆ではバレるため、新聞記事から写植して、当時コピー機が希少であったことを
考えれば、OA機器の普及で怪文書製造が楽になったのも納得。その分乱発が
されたのか?真実味が無いと見てもらえないのかも?
現代ではSNS普及により、情報の伝達速度は上がったが、一応匿名での
発信は可能であり、怪電子文書の発行は容易。しかし、最近規制が厳格化が
進んできているので、無責任発言はできなくなるか?
となると、やはり紙をばらまくのは強い。
・週刊誌記者には誘惑が多いらしく、貸し借りを作らないのが鉄則とのこと。
分厚い封筒を渡され、「メンツを立てろと」返すことができずに後で調べると、
商品券の束だった。それをホテルでできるだけ並べてコピーして、翌日に書留返送
(丁寧な手紙付き)をしたエピソードは面白い。コピーしたのは抜き取ってないこと、
現金でないことの証明かな?
・怪文書の別名に「活字のゴキブリ」「紙爆弾」「紙つぶて」「ペンのお仕置き」があるが
「活字のゴキブリ」はユニーク。
・筆者が記者生活の中で得た記録、写真や取材ノートなどを整理した「六角文庫」が
東京都中央区湊三丁目にあるらしい。会員制のようだが、いつか行ってみたい。
やっぱり、堅すぎない本は読んでて楽しい。
もう少し、気分転換したいが・・・。