タイトルに惹かれて読んだ。主張の正当性の裏付けとして用いられる「統計」は、
取り扱いに注意が必要であるとして、故意か過失か、聴衆が陥れられがちな「手口」を
紹介している。
読んでみればソリャソーダということがばかりだが、であるからこそ、
再認識しておく必要あり、ということで冷蔵庫入り。
ただ、先に記載しておくと、統計を勉強するなら、他の本を探そう。
発刊年代的に仕方ないけど、説明の具体例が古くてイメージつかない。
あと訳がなんか下手・・・?
【要約】
1.そもそも統計とは(牛乳マン補足)
調査手法もしくはその結果のこと。基本的に、何かを調査したければ、その何かを
全数調査すればいい。だが、現実に全数調査を行うのは金も時間もかかり過ぎる。
そこで、調査対象の全数(母集団という)の一部(サンプルという)を調査した結果が、
母集団にも当てはまる・・・と推測するやり方。
2.統計の注意点
(1)サンプルの問題
「~人にアンケートをとった結果・・・」と記述があった場合、そのアンケート回答者が
調べたいと思う母集団を正しく反映しているとは限らない。
まず、サンプル数。これが小さければ小さいほど、結果は偶然に左右される。
サイコロを振って連続で「一」が出ることもあるが、試行回数が増えれば、出目は均等になる。
次に、サンプルの選び方。サンプルが母集団を適切に反映していない場合がある。
ネットの普及率を調べたところ「使用している」が100%だった。だが、その調査方法が
オンラインアンケートだったら?選ばれたサンプルが既に偏っている。
さらに、そもそも回答者が正直に本音を回答しているとも限らない。得てして、
人は本音を隠し見栄を張りたがるもの。
(2)平均が表すもの
「平均値」には様々な種類があり、示すものが異なる。
①算術平均:いわゆる平均値。サンプルがもつ特性の合計値をサンプル数で割ったもの。
②中央値:サンプルの中の真ん中の数値。
③最頻値:サンプルの中で最もよく出る数値。
例えば、ある企業の年収調査をした結果、1億円(1人)、400万円(10人)、300万円(20人)
であった場合、各々の平均は以下の通り。いずれも「平均」であるが、結果は異なる。
①算術平均:645万円
②中央値:400万円
③最頻値:300万円
優秀な人材を集めたいと思う人事担当なら、採用ページには①を記載し、
給与upを目指す組合員ならば、③を交渉に使うかも。
(3)グラフのマジック
視覚的な要素によって数字の差異を実際以上に大きく見せることができる。
x軸・y軸のメモリを操作することで、データの差を大きく見せることができる。
加えて、3次元棒グラフは2次元棒グラフに奥行きが加わることで、視覚的には
体積の比較になり、より顕著な差に見える。さらに、ピクチャグラフだと、与える
印象の大きさはさらに大きくなる(参考図↓)
(4)タネのある証明
実験結果が仮説の正しさと必ずしも結びつかない。
「この薬を投与された患者の体からは、一時間で30万個の細菌が消えました」
だからと言って病気に利くとは限らない。その病気にその細菌が関係あるかどうかは
ここではわからない。
(5)因果の誤謬
複数の事象に相関がある時、それらに因果関係があるとは限らない。
=>「夏場はビールの販売量が増える。また、虫も増える」だからと言って、
「ビールが売れる”から”虫が増える」わけでは無い。
また、因果関係があったとしても、それが無限に/永遠に続くとは限らない。
=>「水を与えると植物がよく育つ」という現象には「与える水量と植物の伸長の相関」が
見られる。そしてそれらには因果関係がある。ただし、水を与えすぎると植物は根腐れを
起こして死ぬように、いついかなる時も有効というわけではない。
【考え事】
・作者曰く「統計というものは、その基礎は数学的なものであるが、科学であると同時に
多分に技術でもあるというのが、本当のところである」というのは非常に同意。
統計の数字がくっついていると、すごくそれらしく見える。数字がその多寡以上の
威力を持つからコワイコワイ。
・最近はようやく新型コロナ関係のニュースが下火になったけど、ここでも多数の統計が
使われていた。
感染者累計を表記ていて、「ほーん、イッパイいるナァ・・・」と思ったら、
回復した人数を差っ引いておらず、このままなら日本の人口減少は解決してそうな数値
だったり。
日本地図を都道府県別に色付けして、赤に近い地域ほど感染者・死亡者が多い、
ことを示していた。いや、その2つまとめたらダメでしょ、日本中だいたい赤いんですが・・・。
・未知の病気なら多少過剰に警戒してもいいハズ、であれば悪い方向に報道するのは
間違ってないのか?ただ、正しい見せ方ではないような気がするナァ・・・。
・「うわっ・・・私の年収、低すぎ?」を考えたやつは天才だと思う。
もはや統計でも無く、数字を出さずに人に印象を与えるとは・・・。
