職場の人に勧められた本。著者が同じで内容も通底するところがあるので

1つにまとめる。

 

愛とか正義とかって、人類が生存のために作り出した虚構のようなものかも?

という内容。
 

 

【要約】

 愛や正義といった価値観は、それを批判することすら許され難い強力なもの。

しかし、それらはただ綺麗で美しいだけのものではない。

 こうした価値観は人類が生存していくために有利であったために、より強くそう

(愛や正義は尊いと)思うようになっていった。これらには、生存に有利な集団を

形成し維持させようとする性質があるからだ。生理学的にも、愛情ホルモンと呼ばれる

オキシトシンが分泌されると、周囲と協調的な行動が促進されるようになっている。

そして、そうした行動がさらにオキシトシンの分泌を促進する。

 その反面、オキシトシンは維持すべき集団を乱す者やそこから外れようとする者を

排斥するよう働きかけもする。愛はそこにいる者を結び付けもするが、そこに染まらない

者を破壊する性質を持っている。そうした誰かの失敗を喜ぶ暗い感情を

シャーデンフロイデという。オキシトシンはこれをも強める。

 正義もまた人類にとって有利な社会を維持するために有用であったので、

多くの人々がそれを是とするようになっている。であるために、愛と同様、そこから

逸脱する者を許さない性質をも持っている。逸脱者を罰する場合、相手方から

復讐されるリスクが生まれる。処罰は本来、損をする可能性がある行為である。

にも拘らず、人々が逸脱者を罰するのは、処罰を行った時に、その報酬と

して快楽物質であるドーパミンが分泌されるからである。

 愛/正義と排斥/処罰は表裏一体の関係にある。実験では、規律や価値観に厳しい

人ほど、他者の裏切りを許さず、残虐な処罰を下すとされている。一見、美しい価値観には

そうした負の側面があることには注意すべきである。

 一方、そうした愛や正義などの価値観を共有することができない者達「サイコパス」が

存在する。彼らは先天的か後天的か、他者に共感する能力が低く、不安や罪悪感を

感じることができない(そういうものがある、というのは理解できる)。そのため禁止事項に

対する学習が働かず、自分の快楽を求めて、常人ではあり得ないほどのリスクを

顧みない行動をとる。

 サイコパスは現代社会にも100人1人程度存在している。集団を維持するための

愛や正義を共有し得ない人間が生存しているというのは、サイコパスの特性もまた

生存上有利であったためである。現代でも、サイコパスすべからく犯罪者、というわけでは

無く、経営者や弁護士、外科医など社会的身分の高い人の中に、その性質をもった

人々が多く見受けられるのである。

 

【考え事】

・進化論的観点からは、愛も正義も生存上有利な道具に過ぎない、ということか。

なんかこう、人間はホルモンの奴隷でヤンス、と言われると良い気分はしない。

 が、職場の役に立たない高給取りにイラついているより「今日もホルモンが

元気に活動しているなぁ~」くらいに突き放して考えた方が健康か?

 

・厄介なのは「生存上の役にたつこと」が「良いこと」とは必ずしも認識できない所か。

ネットやSNSの炎上に対し、そこまでやらんでも・・・という意見が出るからには、

別種の正義がある?

 

・新入社員時代は「日常の自分の価値観で仕事するな。会社の看板を背負っている以上、

プロとしての仮面をつけろ」とよく怒鳴られていた。確かに、割り切れる

なった時、仕事はやりやすくなった。必要とあれば、厳しい要求もできるようになった。

が、これ考えてみるとサイコパスの特性と似ている。悪いことをしているわけではないが、

戦いに罪悪感や不安は付きまとう。仕事が終わると、特に強くそう思う。

それを感じなくて済むならば楽に生きられるのだが・・・。

 

 

 

 

以上