そうだ、米国で医者やろう~♬ -27ページ目

そうだ、米国で医者やろう~♬

米国ボストンで循環器内科フェローをしています。心臓集中治療の分野と美味しいご飯処を世界に広めるのが目標です。

先日、Journal Club(抄読会)で発表しました。


アスピリンという血液をサラサラにする薬の研究です。


高齢な方は心臓病のリスクが高いので、予防的にアスピリンを飲んだ方がいいのかという問いに答えた研究です。


日本人ではすでに2014年に答えは出ていて、アスピリンはあまり意味がないという結果が出ています。


ただ、アメリカは人種が異なるので、いままで米国の予防ガイドラインでは、なんとも言えないという微妙な位置づけでした。


今回の研究で、やはりアスピリンは日本人以外でも意味ないという結果が出ました。


と、かなりざっくりいうと、こんな内容の論文です (一般向けの説明です)


本題は論文の内容ではなく、Journal clubのやり方です。


最先端の教育を導入している研修病院は分かりませんが、少なくとも、わたしの研修した病院では、抄読会のやり方の手ほどきはありませんでした。なんとなく読んで、なんとなく発表してました。


米国の研修は違います。ほかの米国の病院は知りませんが、うちの病院自体そんなにアカデミック志向でもないので、多分、ほかの病院もそうでしょう。


まぁ、それはさておき、米国では、プレゼンで言及すべき内容が明確に決まってます。抄読会の担当者が決まると、指導医からclinical appraisal sheetとという論文のチェック項目が送られてきます。


チェック項目と共に、どこにその内容が記載されているかも書いてあります。






スライドを作る際も、チェック項目を質問形式にしておきます。


聴講者はあらかじめ論文を読んできて、発表者が投げかけるチェック項目の質問に答えていきます。


米国人は活発に意見を言うと思われがちですが、実際は、結構、みんな沈黙です。下手したら、うちの病院の場合、日本人の方が喋ってるかもしれません。


それはさておき、統一されたAppraisal sheetを基に進行すると、どんな人がやってもある程度形になります。


魔法です。


日本の研修病院も導入するといいかもしれません。標準化大切です。


以下のページに詳しくあります。ぜひご参照下さい。


http://www.cebm.utoronto.ca/glossary/


11月のシカゴは吐息が曇る。


ホットコーヒー片手にパイのような型をした分厚いシカゴピザを頬張り身体を温める。


今週は学会発表でシカゴを訪れました。


ニューヨークから飛行機で二時間。


査読をするのにちょうどいい時間です。


偶然にも両隣に座っている人たちも査読をしていたので、少し話すと、学会に向かう循環器の先生と家族に会いに行くリウマチ科の先生でした。


学会はシカゴ市内の高級ホテルで開催されました。


前日には歓迎食事会で交流を深めます。


シカゴの美術館を貸し切っての開催です。


今回の学会はLV Unloadingという分野に絞った学会です。


ニッチな分野なので、皆顔見知りです。


うちのラボのボスはこの分野の最先端で、顔が広いため、多くの先生を紹介していただきました。


LV Unloadingの巨人に研究見学をオファーしていただいたり、自分の進みたいプログラムの循環器フェローとお話ができました。


人と繋がれる。


学会の醍醐味の1つかもしれません。


学会当日は朝食から始まります。


7時から学会会場でみんなで朝ごはん。


宿泊ホテルが学会会場なので、部屋から5分で行けるのは便利でした。


朝ごはんの後は、LV Unloadingの最先端をいく先生方の講演でした。


その中には日本人の先生もいました。英語はかなり鈍っていますが、威風堂々たる立ち振る舞い、最先端の内容、傍聴者は必死に聞き取ろうと耳を傾けている様子が印象的でした。誇らしいです。


人の話を聞くのが苦手なので、普段、講演は極力避けますが、今回の学会は、内容はもちろんですが、立ち振る舞い、喋り方、スライド作りなど、大変勉強になるので、全て聴講しました。


今回は自分自身のポスター発表もありました。いまいち、事前に形式が分からなかったのですが、とりあえず、内容は頭に入ってるし、喋るのもそんなに嫌いじゃないので、問題なくこなせました。


基本的にはふらふら歩いてくる人に質問されて答えます。基本的には想定の範囲内の質問でしたが、ある先生には、俺のやった論文が入ってないじゃないかと、言われて少し焦りました。お名前を聞くと、解析したいデータが不足していて、除外した研究だったので、丁寧に説明すると嬉しそうに帰って行きました。


今回は実りの多い学会となりました。


具体的には、

・人と繋がれた

・知識が増えた

・発表の仕方を学んだ


来年は夏にパリで開催なので、ぜひ参加したいと思います。


これから、ニューヨークへ戻ります。


電車で市内から空港まで3ドル。激安です。


よくよく考えたら、補助金出るので、節約する必要ありませんでしたが。


Cheers!








先日、病人のカバーでMARというローテをしたので、本日は、日本では馴染みのないMARというローテーションについて解説します。


業務内容は皮肉を込めて言うならば、ERと内科の板挟みです。


正式には、「内科へ入院する患者の選定と各病棟への割り振り」です。


あえて、コストのかかる医師がやる必要性は感じませんが、日本から来たものとしては、新鮮な経験で楽しくやってます。


ローテは日勤 (7 AM - 7 PM)、夜勤 (7 PM - 7 AM)、休みの三種類です。


簡単な流れです。


まず、救急外来 (ER)に患者が来院します。


ERの医師が内科の病棟に入院が必要と判断します。


すると、MARに電話が来ます。


MARの役割は、患者の内科入院が適正か判断することです。


What’s the story??



と、質問して、ERの先生のから簡単な患者プレゼンをしてもらいます。


バイタルサインや検査結果を総合的に考慮して、入院を決定します。


軽傷ならば、Observation Unitへのコンサルを勧めます。


逆に、重症であれば、ICUへのコンサルを勧めます。


このプロセスに時間をかけすぎると、ERから文句がくるし、逆に、早く捌きすぎると、患者を受ける側の内科チームの負担になるため、内科から文句が来ます。


なので、絶妙なバランスを保たないといけません。


内科への入院が決まったら、各病棟の空き状況や各内科チームの負担を総合的に吟味して、どのチームに患者を割り振るか決定します。


チームを決めたら、入院を受ける担当レジデントにTextします。


患者の簡単な情報をまとめて送ります。


以前は普通のテキストを使用していましが、昨今、プライバシー保護の関係で、セキュリティが施されているCureatrというアプリを通して、連絡することが推奨されています。


MARのレジデントは基本的にレジデント室でパソコンに向かってひたすら待機しています。


ERから電話が来なければ特にやることもありません。


なので、暇です。


前回のMARシフトの際は、ひたすら、自分の研究をやっていました。


ERと内科の橋渡しとなるため、英会話の練習にはなりますが、医学的には特になにかを学んだ感じはしません。


あえていうなら、内科病棟への入院基準を学べる点で意義があるのかもしれません。