11月に開催される心臓の学会で幸運なことに優秀賞を頂きました。3000ドルの賞金を獲得です。サポートしてくださった皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
今週はElective rotationで研究漬けの2週間なので、学会発表するネタを論文化できたらと思います。
さて、本日は、先週までの夜勤2週間を振り返ります。
夜勤は2週間。夜の8時から朝の7時まで勤務です。8時に日勤帯から申し送りを受けます。一年目のインターンと夜間のTo do listを列挙して仕事を分担します。主に病棟の仕事はインターンの役割ですが、レジデントもサポートし、足りない部分を補います。
新規の入院が来る前に必ずご飯をオーダーします。Uber EatsとSeamlessというアプリを使用すると、NYにある人気なレストランの料理を出前することができます。
レジデントの主な業務は新規の患者を担当すること。
今ブロックの1日の平均入院数は凡そ4人。普通よりも少し多いようでした。
まず患者はERを受診します。内科に入院が必要と判断されると、内科に入院となります。
夜間は全部で4チーム。4人レジデントがいます。各レジデントが順番になって入院を担当します。
一人当たり4人として、一日、約16人が入院していると考えると日本よりも遥かに入院数が多いです。
入院が割り当てられると、まずはERの先生から引き継ぎをもらいます。
ERの仕事は患者の安定と各科への割り振りです。
内科の役割はERの仕事に正確性を以って分析・診断し、治療プランを立案することです。
ERからの申し送りは3分で済ませて早めに入院の手続きに取り掛かります。
効率的に取り掛からないと終わらないので、いつも順序立てて紐解くようにしています。
1 ERでのバイタルと投薬の確認と記載
ERで患者が安定かどうか確認します。
患者が重症そうならば、まず、すぐにERに足を運んで、患者がパッとみて重症そうか判断します。
2 かかりつけ医、薬局、連絡先の確認
もはや、現病歴よりも大切かもしれません。この三種の神器は必ず記載します。
退院する際や患者が急変した際など役に立ちます。
連絡先に関しては、Health Care Proxy (HCP)といって、患者が意思決定をするのが難しい際に代理で患者の気持ちになって意思決定をする人を確認しておくと何かと便利。
HCPは証明書類が必要なので、持参しているかも確認します。
3 コードの確認 Code Status
米国特有かもしれません。
急変した際の意思確認です。
記載必須です。
Full Code, DNR non DNI, DNR/DNIの3つに別れます。
Full Code: 心臓が止まったら胸骨圧迫をする。自力で呼吸ができなくなったら気管チューブを入れて呼吸器で補助する。
DNR non DNI: 気管チューブはいいけど胸骨圧迫はいやだ。
DNR/DNI: 気管チューブも胸骨圧迫もいやだ。
後ろ2つは患者あるいはHCPから書類にサインをいただく必要があります。
4 既往歴、アレルギー、内服歴、家族歴、社会歴の情報収集
過去のカルテから辿ります。
社会歴に関しては、Home Health Aid (HHA)を使っているかも確認します。保険の関係で必要です。
5 データの確認
採血、画像、心電図など、一通りのデータをまとめておきます。患者のイメージがつきます。
6 簡単なAssessment and Plan書く
これらの情報を踏まえて、大雑把にアセスメント&プランを記載します。どんな情報が足りないのか自ずと浮き彫りになります。
7 電子カルテ上でオーダーをいれる
DVT予防、入院時オーダーセット、翌日の採血を無心で入力します。
これらをあらかじめオーダーしておかないと、患者がERから病棟へ上がってきたときに看護師が困ります。
これに加えて、必要な内服の再開、新規に開始する薬、画像、検査などを入力します。抗菌薬などは患者を診てからいれるのがベターです。
8 患者から情報収集
その後、ERに行って、患者から情報収集をし、診察をします。
NYの土地柄薬物中毒で情報が取れないことがあります。その場合は、身体のてっぺんから足先まで身体診察をしっかりやります。なぜなら、敗血症などの脳症とラリっているのが区別つかないことが多いからです (マジです)。
特に、注射を使ってヤクをやってる人、IV drug user (IVDU)は気をつけましょう。
若くても心内膜炎 IEの可能性があるので、文字通り指先にも注意して診察が必要です。
9 現病歴の作成
患者から得た情報を基に、足りないオーダを入力します。その後、現病歴の作成です。カルテの最初の方に位置しますが、実は取り掛かるのは最後です。これに関しては、長く書く人もいれば短い人もいます。
現病歴の尺に関しては、Case by caseだと思います。例えば、インフルエンザ陽性で診断済みの人に関して、関節のどこどこの痛みが10段階でどうだとか拡散痛がどうかなど書いても無益です。一方、不明熱で来て、最近、アフリカに行ったなどあれば、確実にしっかりと書くべきです。
治療方針の決定に必要十分な情報さえあればいいと思います。
とまあ、これらの流れを凡そ1ー2時間でやり終えるのが目標です。
朝7時になると、日勤帯への申し送りがあります。自分が入院を担当した患者を日勤帯にプレゼンします。
一日平均4ケースのプレゼンなので、プレゼンする側聞く側の双方の為にも、長くなり過ぎないように、適宜、割愛して説明するよう心がけてます。
具体的には、
1 診断は「~です」
症例発表ではご法度ですが、全体像を把握するのに有用なので、最初に診断をいいます。
2 「ビタミンを内服しています」
内服薬は必要なものだけ挙げます。ビタミン剤やアレルギーの薬などは話している嫌気がさすのでやめましょう。
3 「腹部は軟で圧痛はなく~」
例えば、足の蜂窩織炎の患者で腹部の完璧な診察所見をされても情報として価値はありません。この場合、足の所見だけをぱっと述べて、あとはunremarkableで終わらせて結構。
4 ラボ、画像、心電図など
同様です。大切な陽性所見と陰性所見だけ述べて、基本的に残りはunremarkableと端折った方が聴きやすいです。
5 サマリー
一通り、患者のプレゼンをしたら、治療方針を話す前に患者のサマリーをします。よくここでも、既往歴をタラタラと話す方がいますが、おそらく必要ありません。年齢、性別、主訴、診断で必要十分です。
6 治療方針はメインに集中
診断、入院経過、方針の3つの軸を話します。特にその日にやるべきリストはしっかりと挙げましょう。activeでないプロブレムに関しては、勝手にカルテを読んでおいてもらえばOK。全て話す必要はありません。
7 Any questions?
最後に必ず質問がないか聞きましょう。
プレゼンが終わったらどこかしらで朝ごはんを食べたのち帰宅です。
家の近所に早朝から営業しているShake shackという人気ハンバーガー店の第1号店があるのでよくお世話になりました。
おすすめは、パテ二枚乗せに特製ビールです。テラス席で仕事に向かう会社員を酒の肴にビールを嗜み一日の疲れを癒します。