そうだ、米国で医者やろう~♬ -11ページ目

そうだ、米国で医者やろう~♬

米国ボストンで循環器内科フェローをしています。心臓集中治療の分野と美味しいご飯処を世界に広めるのが目標です。

面接先の決め方

19箇所全部に行くのは体力的にも日程的にもきつかったので全部で10箇所に絞ることにしました (ちなみに同期の日本人は20か所くらいいってました. 変態です). Fellowshipは情報が少ないのでGoogleを駆使した結果, 以下の5つの項目で見るとある程度良いプログラムが絞れました.

 

1.      日程

2.      大学 vs non-大学 (例外あり)

3.      Ranking

https://health.usnews.com/best-hospitals/rankings

US Health New Research Ranking, US Health News Medical School Ranking, US Health News Best Hospital Rankingでランキングをみる

4.SDN Cardiology Fellowshipのスレ

https://forums.studentdoctor.net/threads/cardiology-fellowship-application-2019-2020.1363422/

毎年、候補者がネット上で情報交流してます. ランキングの相談などもありどのプログラムがいいか見当が付きます.

 5. Programのwebsite

いいプログラムのホームページは概して質が高いです.

 

 

これらを基に以下の10のプログラムで面接しました

 

Program

Date of Invitation

Date of Interview

Emory University

08/07/19

9/23 and 9/24

University of Iowa

08/15/19

10/7

Westchester Medical Center

08/16/19

9/26

Tufts University

08/19/19

10/15

Cooper University

08/28/19

10/10

University of Connecticut

08/28/19

10/2

Mt Sinai Brooklyn

09/16/19

9/30

Detroit Medical Center

09/27/19

10/12

Mt Sinai Beth Israel

10/01/19

10/28

Howard University

10/04/19

10/11

 

全体的にネット情報通りでしたが時には失敗や成功もありました. 例えば, Howard Universityという大学病院はあまり情報もなく日程も丁度良かったので行きましたが, 市中病院よりも環境は劣悪で, Fellow Total 6人でFacultyが3人という超Malignant programでした. 一方で, Mount Sinai Brooklynはお世辞にも人気のある大学関連プログラムとはいえませんでしたが, 2018年にMount Sinai本院に買い取られて半分以上のローテがMount Sinai本院という穴場プログラムでした.

面接するプログラムの選び方

わたしが呼ばれたプログラムは以下の通りです.

•        IMGは殆ど呼ばれないA級プログラム:Emory, Tufts

•        優秀なIMGしか呼ばれないプログラム: Iowa, Westchester

•        IMGしか応募しないプログラム:

Hawaii, Hennepin, Northshore, Mt sinai Brooklyn, Spectrum health, Uconn, Iowa, Cooper, East Tennesee, Howard, South Dakota, Detroit medical center, Cook county, Prisma health, St Elizabeth, Mount Sinai Beth Israel

 

良いプログラムに呼ばれた理由

•        Tufts: 推薦状+研究分野. 推薦状を書いてくれた先生がTuftsの偉い人と知り合いで直接連絡してくれました.

•        Emory: ユニークな研究背景?臨床研究ではなくTranslational Researchをやっていたから? もともとコネなし.

•        Iowa: 研究に対する興味

•        Westchester: 地元

 

Research Opportunities

米国は研究の機会が豊富である. 渡米する前は妄信してました. 正しくもあり間違いでもあります. 米国には素晴らしい研究の機会がありますが, 運やタイミングが合わないと全く研究できないで終わる可能性もあります. 周りの日本人の過去の経験を基にいくつか選択肢を挙げてみます.

 

1.     Fellowの研究を手伝う

多くの日本人が最初に取り組む手法です. 実際に論文投稿までいくのはあまりない印象. 論力の割に得られる成果が少ないかもしれません. FellowやAttendingとのコネができるのが一番の利点. もしかしたらデータベースを引き継いでFirst Authorとして論文を投稿できるかもしれません. ただ, 一緒に働く人によっては全然研究が進まなかったり, データ収集だけさせられて微妙なJournalの共著の隅っこにされたりする可能性もあります

 

2.     自分でデータベースを作る

自分でデータベースを作れば必ずFirst Authorになれるのが利点. しかし, 当院は小規模でBread and Butter (ありふれた)な症例しかありません. カルテのデータもしっかりと構築されていません. なので, せっかくデータは集めたけど, 質が低すぎて論文化に至らないケースも多々あります. IRBという倫理委員会の承認プロセスも煩雑で時間がかかるのが欠点です. 過去の先輩ではデータベース作成に成功し, 同じデータベースから論文を多数投稿した人もいます.

 

3.     メタ解析

No Risk High Returnです. Pubmedをかちゃかちゃいじって解析すれば論文が書けます. テーマさえ思いつければあとは流れ作業です. Cardiology志望でResearchの機会がないIMGの人たちはメタ解析をやってるケースが多いです. われわれもメタ解析を積極的にやっており, 最近だとJACCという循環器内科ではトップクラスの雑誌に掲載されました.

 

4.     日本の施設と共同研究

インターネットが発達した現代. Remote Accessで日本のデータにも簡単にアクセスできます. 日本にいる間に大学病院の先生とつながっておいて, 米国レジデンシー中に投稿するのはうまみが強いです. 先に述べたように日本の大学病院のような症例は米国の大学関連病院では集められません.

 

5.     Basic/Translational Research

わたしの場合この選択肢を取りました. もともとBasicに興味があったのが理由としては一番大きいです. 振り返っての利点は, ラボの一員として論文を書くので, 自分が関係してないラボの論文の共著になれるのでPublicationsがどんどん増えていきます. また, Activeなラボであれば豊富なデータがあるので第一著者として論文を量産できます. レジデントで基礎をやってる人は少ないので, Fellowshipの際にほかの人との違いをアピールできる点も魅力です. 欠点としては, レジデンシーとの両立はかなり体力的にも日程的にも難しいので, 理解のあるラボを見つける必要があります. わたしの場合, NYにあるラボを片っ端から調べてじぶんでメールをしてポジションを見つけました.

 

 

三種の神器

Fellowshipにおける三種の神器があります. Visa, 推薦状, Publications, 出身プログラムです. 各プログラム400から800人ほどの応募があり, そのうち10%が面接に呼ばれます. さらにそのうちの5-10%が採用されます. まずは最初のスクリーニングで引っかからないといけません. Residencyのときと異なりUSMLEの要素は低いようですが, 最低限はUSMLEでScreeningにかけるようです. あとはVISA and 出身プログラム. これらは変えようがないのでどうしようもありません. 逆にPublicationsや推薦状は飛び道具となりえます. Publicationsに関して, 最低限数AHA, ACCなどでの学会発表は必要ですが, 先に述べたPublicationsが60個あるSt Lukesの人がBig Programsから全く呼ばれていないことをみると数だけではないことが示唆されます. この点に関しては自分でも正解が分からないので次項の体験から一つの選択肢を提案します. 推薦状に関してはネームバリューと内容です. ネームバリューがあれば面接に呼んでもらえるし, 内容が良ければ面接中に評価されるでしょう. まあ当たり前ですね.

 

わたしのFellowship

わたしの手札

わたしが応募した際の手札は以下の通りです

VISA:J1 VISA

推薦状:

PD Letter

LabのPI (Tuftsに少しコネあり, 臨床はやってない)

病院の内科の先生x2 (内容は良いがネームバリュー・・・)

出身プログラム:以前は中の中くらいでしたが, ダウンサイジングの影響で下の中くらいまで質が落ちました.

Publications: ポスター >10. 論文coauthor x 1 (Translational), Book Chapter x 1 (Translational). FirstはSubmit x 2 (Translation and meta).

USMLE: Step 1: 240s, STEP 2CK 230s, CS 1st attempt, STEP 3 230s

 

振りかえってみると売れるポイントがほとんどありません. VISAもUSMLEも推薦状もいまいち. 推薦状に関しては前述のとおり, 本来もらおうと思っていた先生方からもらえなくなったため, こんなんことになってしまいました. 必ずPlan Bを用意しておきましょう. 自分の唯一のポイントはレジデンシー中にラボに入ってTranslational Researchに携わったことくらいです. 正直なところ, 万全の状況でマッチングに臨めないのは明白で, いったんPhDを挟んだほうが長期的にみるといいのではないかと悩みました.

 

PhDという選択肢

レジデンシーの後にPhDに進む選択肢はアカデミアに進むうえで一つの選択肢です. 利点としては論文を量産できること. また, ラボに所属することでFellowship programsとコネができる可能性があります. 通常のPhDであれば締め切りは年内ですが, Clinical/Translational Researchという特殊なPhDはFellowshipの結果が出た後からでも応募可能な上に, 通常のPhD応募に必要な書類がいりません. たとえば, Mt Sinaiの応募要項を見てみます(https://icahn.mssm.edu/education/admissions/graduate-education/phd-clinical-research).

 

To apply to the PhD in Clinical Research Program, please submit the following:

  • Official transcripts from all institutions of higher learning attended
  • Two letters of recommendation
  • Personal statement
  • Resume or CV
  • GRE and MCAT test scores are not required for admission. However, applicants are free to share their scores if they have already taken the test 
  • TOEFL scores and USMLE if applicable (see instructions for foreign applicants)
  • $80 application fee

メールで担当者に確認したところ, ECFMGがあればTOEFLスコアは必要ないとのことでした. なので, Fellowshipに応募したResidentであれば, 80ドルさえ払えば応募できます. プログラムによって応募資格は異なるので各自ご確認願います. この選択肢の欠点はいくつかあります. まずはVISAの問題です. PhDをやる場合, VISAがF1に代わります. J1 ClinicalからF1に切り替わる際に問題は生じませんが, 再度Fellowshipに応募する前に一旦J1 waiverをしなければいけません. 2年日本に帰るか3米国へき地で働くか. いずれにしてもPhDの期間も含めると, Residency修了から最低6年間の期間を要します. 年を喰うだけでなく, 通常のFellowship programsからは敬遠される可能性も高いです. 

 

応募プログラム

先述の手札でまともに戦えるとも思っていなかったので, J1 Visaをサポートしているすべてのプログラム194箇所に応募しました. とりあえず応募して, 希望のところだけランクしてダメならPhDに進む計画にしました. およそ応募だけで60万円ほどかかりました. 8月に入っても全くプログラムから音沙汰なくSDNのスレを頻繁に確認してましたが, AMGはInvitationsがじゃんじゃん来てる一方でIMGは殆どInvitationsがない状況でした. 9月に入ってから徐々に面接のオファーが来始めてトータル19箇所から面接のオファーをいただきました. ちなみに, まわりの同僚とはMagic Numberは7と言って, 7か所以上呼ばれればマッチ率が9割近くに達します. しかし, IMGだけでよくよくみると90%に達するのはおよそ9か所となります.

ランクした数とマッチ率の相関グラフ