ステッドラーのヘキサゴナルシャープペンシルを見ていこうと思います。

 

(写真は限定モデルのバージョン-0)

 

まずは軽くスペックです。公式サイトにも掲載されていますが。

 

全長:146mm

グリップ径:最小幅(平面部を持った際)8.1mm、最大幅(角を持った際):8.9mm ※実測値

重量:17.66g ※実測値(公称は17.7g)

重心:ペン先から70mmくらい

 

同じステッドラーの925 35と比較すると、サイズ感はこんな感じ。

 

(写真のステッドラー925 35は限定のアーバンブルー)

 

因みに比較のために、ステッドラー925 35のスペックも。

 

全長:143mm

グリップ径:8.8mm ※実測値

重量:17.00g ※実測値(公称も17g)

重心:ペン先から72mmくらい

 

軸の形状が六角柱と円柱という違いがある以外は、全体のボディバランスなんか見ても概ね一緒です。

 

 

1.手に優しく持ちやすい

特徴的なのは表面のラバーコート処理(とでも呼ぶことにする)によるグリップ力です。

一般筆記用シャーペンでもメタルボディならローレットにする商品も多くありますが、このヘキサゴナルはメタル感を押し殺してラバーコートでマット感を演出し、かつその性質を生かしての安定したグリップを実現しています。

 

メタルと違ってヒンヤリしないので冬でも安心。

よく、学校とか塾で室内が暖まりきってない時あるじゃない?

その状態でペン握った時にペン自体が冷たくて「うわっ」ってなることありませんか?

……そうですか、ないですか。

 

ボクは文房具を置いている場所が冬だと冷えた場所なので、メタルボディのペンを触る時は覚悟がいるんですよね。

 

 

2.静音設計

購入時ブログの感想でも述べたんですが、ノックが割と静かです。

そして、消しゴムキャップの接合部にはOリング(ゴム)が付いてるので隙間が抑えられ、スポスポ抜けづらい上にペンを振ってもカタカタと音が鳴ってしまうことはありません。

これは素晴らしい対応です。

 

3.調整しやすい硬度表示窓

消しゴムキャップ部分に硬度表示窓が付いていますが、表示を変更するときはキャップを引っこ抜いてから、根元を支えてグリグリと回転させます。

クリック感はなく無段階での調整なので、間で止めることも出来ます(特にそれに意味はないですが)。

 

3B~2Hまでの変更が可能で、具体的には

 3B、2B、B、HB、F、H、2H

の7段階ということになります。

因みに、2Hと3Bの間は、他の硬度の間より少しだけ大きく空いてました。

 

4.六角形軸はちょうど良い太さ

同社のマルスルモグラフ鉛筆の形状を模していることから、軸径が六角形となっているんですが、例えばこの軸がもうちょっと太かったりすると、弊害が生まれてしまうんですよね。

 

シャーペンなので、大抵の人は筆記しながらペン軸を回転させて片減りを抑えつつ書くじゃないですか?

回すってことは、本来は軸径は丸型の方が都合が良いので、六角形というのはデメリットになりがちです。

 

しかも、軸を回転させるのは通常筆記の時だけではありません。

定規で線を引く時にも同様に軸を回転させることで、太さが均一の線を引くことが出来るので、これもまた本当なら丸型軸の方が有利です。

 

それが、ヘキサゴナルは鉛筆に近い細さということで、ほぼ気にならないレベルになります。

 

5.書きやすい重量バランス

重すぎず軽すぎずのちょうど良い重量バランスだと思いました。

巷の評価を見ていると、大体多くの人にとって20g以上だと重いかも?と感じるようです。

 

因みにみんな大好き神シャーペンのカヴェコスペシャルペンシルだと、手元の実測値で15.18gだったので、ヘキサゴナルとしては全長(146mm)に対してのこの重量(17.7g)はベストバランスなんだなと納得しました。

 

 

ここまでは、特徴を踏まえての内容です。

 

さらにもうちょっと細部についてもコメントしておこうと思います。

 

 

消しゴムホルダーは消しゴム側ではなく本体側に固定されているので、消しゴムそのものは魚肉ソーセージ状態です。

ボクのヘキサゴナルは、この消しゴムは割としっかり固定されていたので、もし「ゆるゆるだった」と言う人がいたら、それは個体差によるものです。

 

 

消しゴムを取り外した際の、替え芯装填個所です。

多分、内径もメタルです。

重心バランスとか考えて内部構造もこだわってると思われます。

 

 

 

クリップ装着部は円柱軸となっています。

他のレビューでも言われていることですが、塗装の切れ目が雑で、クリップを外すと途端にこの部分のせいで美しさが失われてしまうので、まぁ、手に干渉することもない大きさだし、クリップは外さない方が良いでしょうな。

 

 

そろそろ書き心地についても述べておこうと思います。

 

結論から言うと、

 

まぁまぁ書きやすい

 

というのが正直な感想です。

 

ただし、これは既にカヴェコスペシャルの書き心地を味わってしまったからかも知れません。

初めてカヴェコで書いた時の驚きほど、ヘキサゴナルに驚くことはありませんでした。

 

まず、六角軸というのはやはり角が指に当たりやすく、丸型軸やカヴェコのような八角形軸と比べてしまうと書きやすさでは劣ります。

シャーペンだけに軸を回転させないと片減りしちゃうので、こればっかりは避けられないのかな、と。

 

ただし、コツコツ感はしっかり味わえました。

書く楽しさは十分に味わえるものと思います。

 

因みに、当然、初期芯はステッドラー芯だと思うんですが、ボクはステッドラー芯がちょっと苦手です。

なんていうか、紙面に引っ付いている感が強いんですよね。

ペン先が滑らかに走ってくれないというか……なので、芯を変えたらもっと書き心地良くなるかも?とは思いました。

 

しかし、初期芯を含めてがシャーペンとして評価されるべきとも思うので、その点もちょっとだけ残念かなと思います。

 

 

書いている際の安定感はばっちりです。

さすがにそこはこだわって設計しただけあるというか、この書いている時のソリッド感はロットリング600で感じたそれに近いものがあります。

 

グリップまで六角形軸のシャーペンでこれほど安定した書き心地のものって実はあまりないんじゃないか?

大抵はグリップ部だけは丸かったりしますよね。

ロットリングは正にそれだし、ぺんてるのグラフギア500とか、ファーバーカステルのTK-FINE バリオLなんかもそうだしね。

 

 

現状、未知の要素として、どのくらい使い込んだらラバーコートが剥がれてしまうのか?

また、全体的に耐久性としてはどんなものなのか?

 

見た目がなかなかカッコイイだけに、買っていきなりすぐ傷が目立つと結構凹みますよね。

なので、ちょっとおっこどしただけで壊れちゃうもんなのか、意外にも頑丈でペン先も折れにくかったりするのかは本当に気になります。

 

まぁ、ボクは使い込むことはあっても高いところからペンを落とすということはやらかしたことがないので、その耐久性を試す場面はずっとない可能性高いですが……気にはなりますね。

 

というか、ヘキサゴナルは一般筆記用なんだったら何もガイドパイプを4mmなんかにせず2mmくらいでも良かったのでは?とか思ったんですが、そこは製図用シャーペンを販売しているメーカーのこだわりだったのかな?

いやでもぶっちゃけ3mmでも良くない?とは思ってしまう。

 

だって細軸だから2~3mmあれば十分にペン先視界確保できるじゃん。

 

 

ところで、ボクが購入したのは限定モデルのバージョン-0ですが、何気にクリーンブラックだけは口金がブラックなんですよね。

筆記に集中したい人は、口金まで真っ黒なクリーンブラックの方が良いかもしれません。

光沢のあるシルバーって当然光を反射しやすいので、照明の場所次第ではチラチラと口金が目につきます。

個人的に、この口金はマット塗装してくれたら良かったなぁ~と思いました。

 

でもまぁ、クリップの光沢感と統一されてるという意味ではこれはこれで仕方ないかもね。

 

 

 

ラストにクリップについて。

 

 

綺麗ですよね。指紋がめっちゃ目立ちそうです……ていうか実際に目立ちます。

因みに、人によっては「俺のこんなに綺麗でもないけど?」だったかもしれません。

それもそのはず、ボクのは磨き布で磨きましたので。

おかげでメチャクソ綺麗になりました。

 

同じ事をブラックでやっちゃダメですよ?

マット塗装が剥がれ落ちますので。

 

バージョン-0はゼロって付くだけあって、多分だけど定番モデルより優れている部分はないんだと思います。

あくまで推測ですが、定番モデルには体感出来ないレベルでマイナーチェンジされた部分があるかもしれません。

それか、今後こっそりマイナーチェンジされるか。

 

ヘキサゴナルを最初に作ろうと思った時点でカラーデザインをマルスモノグラフ風にしてみたけど、コストの関係やらなんやらで全身統一カラーにしようという方向に動いたのかもしれませんね。

その内バージョン-0復刻とかやるんじゃないか?分からんけど。

 

 

そんな感じでヘキサゴナルシャープペンシルについての感想を綴ってみました。

 

カヴェコスペシャルを持っているボクからの比較評価ですが……

 

書き易さ :互角

書き味  :カヴェコ

ペン先視界:ヘキサゴナル

グリップ感:ヘキサゴナル

所有欲  :カヴェコ

デザイン :カヴェコ

コスパ  :ヘキサゴナル

 

と言った感じで、書いてる使ってること自体の満足度を得たいならカヴェコ、実用に特化した部分だけを得たいならヘキサゴナル、になるのかな?

 

当たり前ですがもらって嬉しいのはカヴェコの方です。

だって、高級だし缶ペンケース付いてくるしね。

ヘキサゴナルのパッケージって化粧箱でもなんでもないからゴミになる上、取り出しづらくてゴミ分類もなんか面倒だから嫌い。

ロットリング600とかみたいな紙でええやん……

 

ステッドラーのシャーペンが欲しいな~という人には、ヘキサゴナルのブラックがお勧めです。

925 35のオールブラックよりもオシャレでカッコイイですよ。

 

それではこの辺で終わろうと思います。