足のマッサージがおわり
他にやってほしい事はないか
尋ねると

背中をさすってほしい
と言われた

今日は眠くて
ほぼ目を閉じ
口を開くことがなかったが

横むきになり
その方の背中をさすりだすと

昔の市内の様子など
懐かしそうに
話しをされた

そして

テレビをみていて
ラーメンを美味しそうに
すする姿をみると
1番せつなくなると
言われた

それは
胃を全て摘出しているので
よく噛まないと消化できない事や

食欲自体があまりなく
何をたべても
元気な時ほど
美味しさを感じない

というものだった

余命宣告をされ
病院から
自宅での生活が始まり
1ヶ月以上たつ

元気な時には
感じることのなかった
あたりまえの日常が
そうでなかったのだと
気づき

それが
もどかしい時もあるようだったが

「運命やな」

ポツリと言われた

「そうね
運命だね」

静かに返した


死ぬまで
生ききる覚悟を感じ

震えた