忙しい。
フルタイムの仕事と、小学校のPTA役員の年度末の仕事と、
大学生の娘の物件探し(このあと引っ越し)と、時間が足りない。
高校受験の娘は、ちっとも勉強しないし。
そんななか、義母はというと、
12月からの鬱がまだ続いていて、寝てる方が多い。
「車がないと本当に不便。買い物弱者になった。
まあでも、お父さんがデイの日に歩いて買い物に行くわ」
口だけで、行かない。
「本当に物忘れがヒドイ。なんでこんなに忘れちゃうんだろう」
自覚があって、落ち込んでいる。
自覚と言っても、同じ話や質問を繰り返していることは、もちろん気付いていない。
午前中に何をしていたのか何も覚えてない、
難しい話を理解できない、
それの繰り返しで、自覚せざるを得ないようだ。
こんな素直な義母に「認知症ってウソじゃなかったでしょ?」だなんて、
もはや言いたいとは思わない。
「ちゃんと暮らせてるから大丈夫だよ」
「でも、コレ本当にひどくない?まったく覚えてないのよ?」
「何か困ってることはあるの?」
「だってね、買ってきてもらった物のお金を払った記憶はないのに、
みんなはもらったって言うの。本当に困るの」
「みんなの言うことは、信じられないの?」
「いや、”私が覚えてないだけなのね”って思う」
「そうなんだ。前と考え方が変わったね」
「え?」
「前は、払った記憶がないんだから、私は絶対払ってない!って、自分を信じる気持ちの方が強くてさ。
だけど今は、私が忘れただけなのね、って認めて、みんなの主張を受け入れてるじゃない?」
「だって、アレもコレも忘れちゃうんだもん」
「自覚があっていいと思うよ。前みたいに抵抗されるより、今の方がよっぽどいいよ」
「お!成長してんじゃん!成長!」
「成長!?」
「歳取ったって、成長してんじゃん!」
小5の末娘、口を挟んで来て何を言うか。
「…まあ、何でも”モノは言いよう”ね」
「そうだね💦」
義母、末娘に持ち上げられて、まんざらでもない様子で、階下に降りて行った。
私たち、結構ひどいコトを言ってますね💦