「ただいまー」
「あ、嫁ちゃん!見せなきゃいけないものがあるの。お父さんのデイから手紙が」
手紙を見せなきゃと思って、待ち構えていてくれた。
よきよき
内容は
『コロナが増えている、体調不良はデイを休んで、熱が出たら連絡して』
というもの。
「昨日付けの手紙なんだけど、今さらよね?もう遅いわよね?」」
「何が今さらなの?」
「だって、娘がコロナだったのは先月末で終わっちゃったじゃない、これ昨日付なのよ」
「この先も、誰か調子が悪い人がいたら、本人は元気でもお休みしてくださいってことだよ」
「でも、昨日付けで言われても、遅いじゃない」
「?」
昨日付けの手紙じゃ”今さら”で”遅い”って、何が?
義母の言いたいことがわからない。
「だから、娘たちコロナだったけど、連絡しなかったでしょ」
「したよ!」
「休まないで、デイに行っちゃったでしょ?」
「休んだよ!」
「えー、普通に行ったじゃない」
「行くわけないじゃなーい」
なるほど!
娘らがコロナになったのは覚えているが、
義父を休ませたことを覚えていないので、
『連絡せずに行かせて、普段通りに暮らした』って、そう思ってるのか
「お父さん、休んだの?」
「一週間、休んだよ」
「えぇ!」
「大丈夫、手紙の件もわかった」
「えー」
納得してない様子の義母を残して、二階に戻った。
悪いけど、これ以上説明を続けたって、無駄ムダ。
どうせ、自分の頭にないことは信じようとしないんだから。
それにね、わたしゃ仕事帰りで、荷物も持ったままなんですよ。
義母のところでの残業、終えて家に帰ってもいいデスカ