続きです。
朝起きてすぐの義母が、
11年前に亡くなった、同居していた義父の母について、
”さんはどうした?”と聞いてきた。
”どうした?”って、絶妙な聞き方だよね
「亡くなったよね?」
「亡くなったの…」
「ゴメン、ちょっと班に遅れそう!あとは
ちゃん、頼んだ!」
ちょうど、末娘の登校班の集合時間が迫っていた
まだ出掛けない中学生の娘に、託した。
亡くなったのはが産まれる前だとか、
亡くなった翌日に震災があったことなど、
が、説明しておいてくれた、が。
「亡くなったの…。全然、頭にないわ」
「だって、義父母がいま寝てる部屋は?」
「そう、
さんの部屋。だから、”じゃあ
さんは?”って思ったの…」
夢を見たと言うより、寝起きボケだな?
「ちゃんとお葬式もしたよ…記憶にない?」
「えー!お葬式したの?どこで?」
とても驚いてみせる義母。
いやいや、亡くなったらお葬式するでしょ、普通。
記憶にないからって、そんな~
震災で、普通じゃなかったけどね。
通夜は自宅で。
納棺は13時で、無事終えたところに、あの大地震。
数人の親類が、すでに我が家には到着していて、
震災の晩、仕出しも届かず、予約していたホテルにも移れず。
(だって、電話もつながらないからね)
子どもも含め15人で、停電の一夜を明かした。
通夜用のロウソクが大活躍だった。
でも翌朝、ちゃんと霊柩車がきて、火葬することができた!
義母には、全く記憶にないようだ。
それよりも義母が気にするのは、お葬式を”ちゃんと”やったかどうか、だろう。
「お通夜に○○寺のお坊さんを呼んだけど、地震で来れなくてね。
でも、納骨や法要はちゃんと○○寺でやったよ」
「○○寺さんで?」
「亡くなったことも、お葬式したことも、記憶にない?」
「ない…」
「もしかして、震災もわからない?」
「うん…」
「東日本大震災って、大きな地震があったでしょ?大津波がきて」
「知らないわ」
「そっか…」
「お葬式、ちゃんとした?」
「したした。地震で大変だったけどね~」
「全然、覚えてないわ」
「…とりあえずさ、朝の支度をしようよ」
やっぱり。
ちゃんと葬式をしたか、を気にするのね。
嫁は、
あの震災も知らない、に衝撃を受けたよ
オチはまだ。
もうちょっと、続きマス