新しい薬「メマリー」が処方されて二週間後、
最後の大学病院の診察日
「一人で行くから!」
気付いた時にはすでに出発していて。
嫁は車で向かい、途中で義母を見つける。
振り返りつつ歩いているから、もしかして、タクシー探しているのかな?
でも、自分で歩き始めたんだから、自分で対処してもらおう、と思い
嫁は、義母に声を掛けることなく、先に大学病院(4.6km徒歩1時間)へ行った。
10:30の予約時間から待つこと一時間・・・
11:30 「○○さーん」、呼ばれた。
「あ、ご家族の方ですか?再来機は通っているみたいなんですが、
診察科の受付に来られていないんで、探してきてください」
義母は中央の待合で座って待っていた。
どうやら、道に迷って、一時間半かけて歩いてきたらしい。
帰り、一緒に帰ろうと誘うも
「歩いて、スーパー寄るからいいわよ。それより出口はどっち?」
病院入口には、タクシーもいたのに、
義母は歩いて帰り、スーパーで新しいフライパンを買って、
一時間半後に帰宅した
そのまま、横になって休憩することもなく、一日をすごした。
合計3時間歩いて
これは、躁パワーのなせる業だ
その日の、大学病院での話。
診察が終わって、
「「これから紹介状書くんで、外で座って待っててください」
「わかりました」
なのに、義母は、診察室を出ると、そのままどこかへ行ってしまった。
トイレかな?と思い、嫁は慌てて診察室へ戻った。
「先生、本人トイレみたいで、実際のところ、どうなんですか?」
以下、物忘れ外来の大学病院の先生の説明
MMSEは23/30点でMIC(軽度認知症)域ではあるが
失見当、記憶力低下は明らか。
MRIはAD関心領域で明らかな萎縮があり、
SPECTでも一部AD関心領域の血流低下がある。
レビーの疑いがあったが除外、アルツハイマー型認知症(AD)の疑いと診断されます。
初期段階ではあるが、今後、認知機能低下は進行するでしょう。
年単位で状況は変わってくるでしょう。
今できていることでも、一年後に出来なくなることは増えるでしょう。