【国体道路の陥没事故について|6月10日18時現在の状況】

本日、議会を終えて再び現地に向かい、陥没現場の状況確認と復旧作業の進捗について、担当部署や工事関係者と直接意見交換を行いました。以下に、現在の状況と今後の見通しについてシェアいたします。

まず、陥没箇所の地下状況を把握するため、14時に道路上から地下を調査できる特殊車両(地下空洞調査車)を使って詳細な調査を実施しました。その結果、今すぐに事故につながるような大規模な空洞は確認されませんでしたが、周辺の3箇所で地中に周囲と違う反応が見られるポイントがありました。

さらに、地下からも現場調査をしました。現在ほとんど雨水は流れていないことから、作業員が近隣のマンホールから管内に進入し、地下10メートルに敷設している雨水管の内部の状況を直接確認できる状態です。調査の結果、枝線から本管への土砂の流出は確認されておらず、また陥没箇所からテスト的に流し込んだ流動化処理土が枝管から本管には全く流れ出していないことも確認されました。これらはカメラで常時モニタリングされており、状態は安定しています。

こうした調査結果を踏まえ、今後の対策として以下の作業を進めることを決定しました:

 • 地下10メートルにある雨水管「枝線」の内部について、土砂の流れ込みを防ぐために影響が想定される全範囲を完全に埋め戻します。

 •  雨水が地下に向かう管の内部およびその周囲に、水中でも固まる特殊な流動化処理土(セメント系材料)を注入し、広範囲にわたって地盤を強化します。

 •  道路地下にすり鉢状の人工地盤を形成し、周囲一帯の地盤を一体的に安定化させ、今後の陥没リスクを徹底的に排除します。

 •  流動化処理土の硬化が始まり次第、反対車線も含めた一帯のアスファルト舗装を一旦剥ぎ取り、土砂を投入したうえで、先ほどの3つの異常反応ポイントも含めた全面的な地盤補強・再舗装を行います。順調に進めば、深夜1時頃からこの工程に入れる見込みです。

現場には市民の皆さんの明日朝の通勤通学に影響が出ないスピード感で対応するようにお願いをしています。具体的には「明朝5時までの道路開放」を目標として、安全第一かつスピード感を持った作業をお願いしており、現在も工事は全力で進められています。

これに伴い、前回の投稿では「反対車線の安全が確認され次第、順次通行再開」としておりましたが、現場の総合的な安全確保の観点から、予定を変更し、今夜は国体道路の西通りから警固交差点までの区間を引き続き【全面通行止め】とさせていただきます。

もちろん作業中に想定外の状況が発見されたり、工事が順調に進まない可能性もゼロではありません。その場合は安全を最優先に対応し、万が一通行再開の見込みに変更が生じる際は、できる限り早くお知らせいたします。通勤・通学のご予定がある方々への影響を最小限にとどめるべく、事前の情報発信に努めてまいります。

なお、今回の工事に伴い、国体道路周辺や迂回路では夜間から朝方にかけて渋滞が発生することが予想されます。お出かけの際は、時間に余裕をもってご移動いただき、迂回路のご利用や公共交通機関の活用など、ご協力をお願い申し上げます。

市民の皆さまには大変なご不便とご心配をおかけしておりますが、安全と安心を最優先に、一刻も早い復旧を目指して全力で対応してまいります。引き続きのご理解とご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。










福岡市長 高島宗一郎