政府の行政改革推進会議の委員として秋のレビューに参加しました。
私からはワクチン接種を事例に、国と地方のデータ活用を妨げている構造的な問題を指摘しました。
例えば、最近自治体を移動して引っ越しをされた方には3回目のワクチン接種券が自治体から送付されません。
なぜか。それは転入されて来た方が前の自治体で何回ワクチン接種したのか、もしくは2回接種が終わってからいつが8ヶ月後なのかが分からないからです。
福岡市には年間8万人の転入者がいますが、この方々の接種記録は一件ずつ本人の同意をいただかなければ、マイナンバーを利用して以前の自治体の記録を福岡市が取得することも出来ません。
今回のコロナような特殊な状況における全国一律のサービス、もしくは自治体の基礎的な市民サービスに必要な情報については、自治体が転入者の同意なしにマイナンバーを使って以前の自治体の接種記録に基づいて適切なタイミングで接種券を送付することができれば問題も解消されます。
多拠点生活が当たり前になる中、データのポータビリティ、つまり個人が移動すれば自分のデータも一緒に動いてくることが大切になります。
これらを改善するためには、単にデジタルの問題だけでなく、規制改革や行政改革の視点から一体的に取り組まなければなりません。
今回のレビューがとても特徴的になった理由は、牧島かれん行政改革担当大臣のリーダーシップの下、コロナを経験して見えてきた課題感を踏まえて、より中長期の視点や行政組織の構造的な諸課題をどう克服するかという観点でレビューを行ったことです。
昨日、牧島大臣と小林史明副大臣からデジタル臨調(臨時行政調査会)の開催について発表があり、私も構成員に選任されました。
早速来週には初回会議が開催されると聞いていますので、しっかり自治体現場の意見を発信して、国と自治体の関係のアップデートに繋がればと思います。
福岡市長 髙島宗一郎