正月が明けて急増していた福岡市の陽性者数は、徐々に減ってきています。また政府が緊急事態宣言の対象地域に福岡県を指定して10日が経過しました。
福岡県から要請された飲食店に対する営業時間の短縮などの成果もこれから出てくる頃だと思います。 
これだけ痛みを伴っているのですから、ぜひ陽性者数の減という結果に反映されていて欲しいですよね。

現状の把握のために、福岡市の1月に入ってからの状況をシェアしますね。

陽性者の推移を、週明けに行った検査の結果がでてくる火曜日からの1週間単位で見てみたいと思います。 同じ条件で比較するために曜日ごとに比べると、明らかに1月最初の赤の折れ線より、最新の青の折れ線は低くなっていますよね。

5日からの1週間は、特に7日(木)に過去最高の230人の陽性者が確認されました。年が明けて医療機関や検査機関が動き出して、年末年始で受診や検査を控えていた方が一斉に受診されたという特殊事情の週でした。さらに年末年始で家族や親戚、帰省した友達などで宴会を行った方などが陽性者として現われた週でした。

12日からの1週間は、こうした陽性者から家族内への感染が広がる一方で、仕事が始まったことで職場などにもコロナウイルスが広がっていきましたが、福岡市の保健所による疫学調査に基づいて陽性者の周辺を幅広く検査し続けたことにより徐々に陽性者数も抑えられてきました。
 
今週に入ると、年末年始の影響もかなり落ち着きました。また緊急事態宣言の効果も少し出始めてくる頃なのか、陽性者数は前の週よりも抑えられた数字で推移しています。
その内訳としては、家族内感染の割合がさらに縮小する一方、病院や介護施設などで複数のクラスターが発生しています。
 
現時点で福岡市の重症者は10人です。この10人という数字だけ聞くと、これまでの人数から大きな増減がないように聞こえるかもしれませんが、最近は最初から重症で即入院して、そのまま亡くなられる方も増えています。これは重症化リスクの高い方が集まっている病院や介護施設での陽性者が増え、一部ではクラスター化していることが要因にあります。

もともと透析が必要など基礎疾患がある方がいったんコロナに感染してしまうと、あっという間にコロナでも重症になったり、中にはお亡くなりになる方もいらっしゃいます。亡くなる時点でPCR陽性であれば、コロナ患者の死亡者として数えられます。

こういったリスクの高い方へ感染を広げないためにも、医療、介護施設へウイルスを持ち込まないことも大切になります。細心の注意を払いながら、コロナの最前線で対応いただいている医療、介護従事者の皆さんには本当に頭が下がります。

ワクチンの話もどんどん具体的になって、医療従事者や高齢者などのリスクが高い方への接種までもう少しです。

ウイルスが活動しやすい寒くて湿度が低い時期はもう少し続きますので、一人ひとりが感染対策を徹底して乗り越えましょう。

福岡市長 高島宗一郎