PCR検査体制の強化に向けて、福岡市でもドライブスルー方式で検査できる体制が完成します。5月の初旬にも検査可能になる予定です。

 

実は福岡市に本社を持つ株式会社SAI建築社という企業がユニット型の建築物を販売していて、福岡市のコロナ対策に無償提供、協力したいという申し出があったことで、早期実現の大きな推進力になりました。改めてご厚意に感謝致します。

またご紹介いただいた 津田 信太郎 (Shintaro Tsuda)市議にも感謝致します。
 

これによって、今後は保健所を介さずに、かかりつけの医療機関の紹介で、ドライブスルーのPCR検査を行なっていただき、民間の検査機関で判定してもらえるようになります。

さて、そのPCR検査結果ですが、今日は203人の検査を行なって、結果陽性反応が出たのは、新規感染者(散発)で0人、濃厚接触者で4人の合計4人です。新規感染者数が3日連続で0人です。外出の自粛が一定の成果を上げているのだと思いますし、ここまで様々な形でご協力をいただいている市民の皆さんのお陰です。

一方、これは極めてまずい状況でもあると思っています。それは、今最大の敵は「緩み」だからです。←ここが一番言いたいことです。

正常性バイアスって聞いたことがありますか?

 

自分に都合の悪い情報を過小評価をしてしまう「人の特性」のことなのですが、この数字を聞いた方が、リスクの高いゴールデンウィークを前に自粛が緩むことを懸念しているのです。

だから、よりによってゴールデンウィークの前にこの数字が出ていることは逆に危ないと思っています。

「福岡は少なくなっとーけん、大丈夫よね。東京は大変やね」と、すっかり他人事になった発言をする人の顔が思い浮かびませんか?

ここ数日の数字は、福岡の老若男女みんなが今これだけ苦しみながら自粛しているからこそ為し得ている結果です。

一方、現在ウイルスは、日本中でまだまだ猛威をふるっています。

 

せっかくここまで頑張ってきたのに、ここで気を緩ませると、また元に戻ってしまう恐れがあります。連休中に人が動くと、ウイルスも広がってしまいます。連休の後に感染の第二波が来て、さらに苦しい思いをしないために、みんなで頑張りましょう。

さて、学校はどうなるのか。

 

福岡県教育委員会が5月7日と8日の学校休校を決めました。直後に福岡市と北九州市の教育委員会にも同様の措置を取るように求める趣旨の要請が県の教育長からあり、福岡市も同様になりました。

一方、本当に学校を11日から始められるのか。


もちろんこれまで以上に感染対策も必要でしょうし、第二波が来た時にどう対応するのか。

 

ちなみに福岡市の計画では、年が明ければ市立の学校の全児童生徒にタブレットを配り、学校のWi-Fiの環境も整える計画でした。少しでも前倒し出来ないかは今でも検討しているのですが、児童生徒の数だけで12万人もいるので、全部揃えるのは簡単ではないのです。

県として県内の直近の感染状況で判断しなければならないのも分かりますが、一方、保護者の仕事の調整などは急にできない場合がほとんどですから、早急な対応が必要です


県と福岡市、北九州市の教育委員会がバラバラに対応しないようにということであれば、3つの教育委員会が一緒に話し合いを行い、そこに感染症の専門家も入れて、学校再開のタイミングと、再開する場合の学校での必要な感染症対策を考えるための枠組みを作って欲しいと福岡県に要望しています。


現在休校になっているのは新型コロナウイルスが原因ですから、教育委員会だけで判断する範疇を越えていると思うからです。

さて、同じ市といえども、教育委員会は市長からは独立しているので私が学校教育についての方針を決定することはできません。


それを踏まえた上でのあくまでも個人的な意見ですが、もしこれ以上学校の休校延長が続くのであれば、学校でのオンライン学習対応への準備や感染症対策を整えた上で、私は9月入学、始業の検討を行うことを始めてもいいと思います。

 

もちろんここまで大きな話になれば、現実的には文部科学省をはじめ政府、そして国民の世論の大きな後押しが必要になりますので、市というレベルではないのですが

コロナの状況下で、地域の状況に応じた学校対応となると、全国どころか県内でも今年度の授業にばらつきがすでに生まれていますし、塾に行ける家庭とそうでない家庭でも学力差が出ます。

 

特に受験生にとってはこの差は深刻です

 

また今年だけ中体連やインターハイが無くなるのも可哀想です。

 

9月入学だとインフルエンザが猛威を振るう寒い時期に受験をしなくてもよくなります。

 

これまでも言われているようにグローバルな入学時期と揃うので、海外留学などがしやすくなります。

また現在の休校措置により削られることが予想される夏休みや運動会、体育祭などの学校行事のほとんどが、9月入学、始業にすることによって解消されます。

もちろん、9月入学を実現するには全国が足並みを揃えないといけないですし、保育園や幼稚園、高校、また入社時期など企業の協力、様々な仕組みを全て一斉に変えなければいけないですから、文部科学省だけの判断で決断出来るものではありません。

あくまで個人的思いですが、政府として是非ワーキングチームを立ち上げていただき、社会的課題として、教育をはじめとした各分野の専門家、有識者をはじめ、教育委員会や地方自治体、企業などの声を聞いていただければありがたいと思います。

 



福岡市長 高島宗一郎