【決断しました】決断するのはリーダーの仕事。その決断は早いほうがいい。ロープウェイ整備については白紙とし、今後福岡市として議論を進めないことを決断しました。
福岡市として、今後のウォーターフロント開発にあわせた新交通について、去年から議論し、有識者会議で都市型ロープウェイが最適という判断をもらいました。
そういった経緯の一方で、国内に例がないため、イメージだけの議論にしないため、今後導入の是非を市民や議会が冷静に判断するための前提となる材料集めの予算を今の予算議会に提案していました。しかし今日、この部分の予算を削除する修正案が自民党市議団や共産党市議団による賛成で可決されました。きちんとした判断材料と共に冷静な議論をしたかったのでとても残念です。
 
もう一度、一から議論をするというやり方もありますが、議会後に私の案に賛成をしてくれた公明党、みらい・無所属の会、自民党新福岡の会長たちと今後について議論し、総合的判断で、福岡市として今後ロープウェイ整備の議論をダラダラと引きずることなく、議論自体を終わらせる決断をしました。
 
市民の皆さんの共感が進まなかった理由は3つあると思っています。
①そもそものウォーターフロント開発が始まっていないので、今すぐ整備の検討をする必要性がイメージ出来ない。
②国内に都市型のロープウェイがないので、イメージが湧かず、遊園地のゴンドラのようなオモチャを想像してしまう。
③民設民営やクラウドファンディングなど民間資金を最大限に使った整備手法を検討したかったのですが、「公設公営で事業費は全て行政が税金で持つ」ようなイメージを流布されてしまい、市の考えについて市民や議会に理解を広げるのが困難。
 
私はこれからも市長として夢やビジョンをどんどん提案して、実現していきます。しかしそれは世界一周したいというような個人的な夢ではなく、福岡市の経済が活性化して、その財源で生活の質や福祉を豊かにするという福岡市長としての大きな夢のビジョンです。
 
しかしビジョンや政策を次々に提案する一方で、アンテナもしっかり立て、耳を傾け、もしそれが市民の皆さんと共有できないものであるなら、速やかに判断することも大切と思っています。リーダーの仕事は決断すること。そしてその判断は出来るだけ早いほうがいい。他にも福岡市として沢山のチャレンジが控えている中で、ズルズルとこの件を引っ張るのは良くないと判断しました。
 
ちなみにロープウェイは前回の選挙で公約の中にも書いていたことです。市長として選挙では夢を語り、ビジョンを示しますが、それが市民の共感をいただけないものならば、公約だから無理矢理にでもという乱暴なことをするつもりはありません。私も3期目なので余裕も柔軟性も聞く耳もあります笑
 
残念ながら、私にとって最も合理的と思うロープウェイは白紙にする決断をしましたが、これからもスピード感をもって、どんどん夢やビジョンを提案していきます。
 
ちなみに、よく地下鉄を延伸したら?と聞かれます。日本の中で、地下鉄七隈線の延伸以降、地下鉄整備の国の地方交付税措置が無くなり、事業に伴う市費負担が2倍になっています。ですから、地下鉄のそもそものコストが高すぎるのに加えて、昔は1キロ作れた市費の負担で、今では500メートルしか作れないということです。ですから、費用対効果が合う場所は多分首都圏と大阪くらいで、今後、地方都市で地下鉄を延伸するのは難しいのです。
 
福岡市長高島宗一郎