何らかの事情によって家庭での養育が受けられなくなった子どもたちをどのように養育するか。ざくっと一言で言えば、大規模な施設ではなくて家庭的な環境で愛着を持って養育することが望ましいとされています。ところが日本では里親への委託率が欧米の主要国と比較しても圧倒的に低く、施設養護への依存が高い状況にあります。厚生労働省も23年3月に里親委託を推進するよう方針を大きく転換したばかりで、まさにこれからがようやくスタートです。
一方、最近8年間の福岡市の里親委託率の増加幅は日本一って知っていましたか?それはNPOの皆さんや専門家と連携をした先進的取り組みや、熱意を持ったメインプレイヤーの存在、そして福岡市も里親専任の担当職員を児童相談所に配置するなどのこれまでの取り組みが功を奏しているのです。
この取り組みに加えて、他の自治体の先進的取り組みと合わせて全国的に里親を普及、啓発していこうと、三重県の鈴木知事の尽力で伊勢で開かれたG1首長ネットワークの恒例夏合宿。佐賀県、三重県、浜松市、千葉市、奈良市、柏市、横須賀市などの市長や知事が集まって、他にも産業振興や人材育成など多岐に渡るテーマについて、ゲストも交えながら実践に繋がる議論が行われました。こうしたテーマはいくら国で議論をしても、実際の自治体の現場の状況とシンクロしない机上の空論では何も動きません。牽引力のある首長がいる地方が同時多発で施策を展開して、国と連携をしていくことこそが日本を最も早く変えていく方法になると思うのです。



髙島宗一郎
「福岡をアジアのリーダー都市にする 会」