こんばんは、福岡市長の高島宗一郎です。



 一部の新聞に、政府の教育再生実行会議において、小学校での英語教育の開始学年を引き下げることなどが盛り込まれた提言案がまとめられたという記事が載っていました。

 提言案に対する評価は様々ですが、私は、英語はできるだけ早い時期から学んだ方がより高い効果を得られると考えています。



 そもそも英語を中学生になって学び始めるというのは、最も悪いタイミングだと私は思っています。

 実際に小学校と中学校の授業を視察に行ったのですが、小学生たちは外国人の先生から呼びかけられるとみんな元気に答えます。

 ところが中学生になると恥ずかしがってなかなか答えません。

 そもそも異性を意識する思春期、第二次性徴期まっただ中の多感な中学生に対して、みんなの前でいきなり英語の発音をしなさいと言うこと自体に無理があるのではないでしょうか。

 日本語の教科書ですら恥ずかしがって声を出さないのに。



 論理的な思考力が必要な内容であれば中学生になるまで待って教え始めればいいと思いますが、語学はそれを母語とする人たちであれば、みんな幼いころから学んでいます。

 もちろん論理的な思考が必要な部分も ありますが、ほとんどは相手との会話の中で反射的に話しているものなので、あまりいろいろ考えすぎない子どもの頃から始める方が、心理的ハードルが低く、学習効果はより高くなのではないでしょうか。

 実際アジアの国々と比較しても日本の小学生の年間英語教育時間はかなり少ないのです。



 福岡市では、平成24年度から市立の全ての中学校と高校で、毎週ネイティブスピーカーによる英語の授業を実施していますし、今年は小学6年生にも毎週ゲストティーチャーを入れます。



 文部科学省と教育委員会にもぜひ、世界の子供たちの英語教育の開始年齢と内容を見た上で、日本の子供たちの英語教育開始年齢の引下げについて、真剣に議論し、実現に向けて取り組んでいただきたいと思っています。


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