こんばんは、福岡市長の高島宗一郎です。


 福岡をどんなまちにしていきたいか。


 子どもたちがすくすくと育ち、未来に向かって夢を抱ける。また、若い人も安心して子どもを育てられ、高齢者も住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる。
 このような、みんなが安心して暮らせるまちが誰もが考える理想のまちだと思います。


 しかし、これを実現していくのは容易なことではありません。少子高齢化により税収は横ばいか、減少する一方、社会保障費は確実に増えていく。また年齢構成の変化やライフスタイルの多様化により、市民のニーズも多様なものになっている。
 そうしたニーズに対応し、市民サービスを維持・向上していくためには行政の力「公助」だけでは力が足りません。その地域が抱える課題を一番把握している地域の皆さんによる「共助」、地域の皆さんと行政が力を合わせる「共働」を充実させていくことで、行政が全市一律に画一的な内容で事業を実施するよりも、高い効果が期待できます。


 例えば、こども未来局で担当している子どもの見守り、保健福祉局で担当している高齢者の見守り、市民局が担当している街頭防犯活動、などなど。
 行政のいろいろな部署がバラバラに行っている事業を、地域と力を合わせるという観点から再構築する。また、地域の皆さんにも自分たちの地域の課題をどうすれば解決できるか考え、行動していただけるようにしていく。今もう一度「向こう三軒両隣」を再構築し、強い地域を作る。私は、それが実は「最先端」だと思うのです。


 福岡市の強みは、何と言っても各校区に自治協議会などの地域コミュニティや拠点となる公民館があるということです。そして平成16年にできた自治協議会には、すでにいろいろなノウハウが蓄積されており、私自身、市内を回ってお話を伺っていますが、素晴らしい取り組みをされている地域がたくさんあります。そしてこの知恵と経験を共有出来ないかと思うようになりました。これまでは地域の皆さんが研修を受けるフォーラムしかありませんでした。せっかくそれぞれが経験を積んで来ているのに、これではもったいない。


 この思いで作ったのが「福岡市自治協議会サミット」です。各地域で蓄積したノウハウをお互いに発表し合い、自分たちの地域でも応用出来るスキルやヒントになる他の地域の工夫を見つけて持って帰っていただきたい。知恵と工夫をみんなで共有して市内全体の地域の底上げを図っていきたい。そう考えたのです。


 そして先日、第1回目を開催しました。

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 ゲリラ豪雨被害をきっかけにした水害時の防災マップ、段ボールトイレなど身近なものを使った手作り防災グッズ、マンション住民も自治活動に楽しく参加できるきっかけ作りとしての町内交流バーベキュー大会、高齢者を地域で見守るネットワーク、小中学校PTAや子ども会なども巻き込んだ男女共同参画の啓発、地域住民によるまちづくりプラン。
 言葉で言うと簡単そうですが、どれも地域の皆さんが地域課題の解決に向けて知恵を出し合い、様々な工夫をしながらチャレンジしてきた地域の宝です。他の地域でもモデルケースとして応用出来る内容も多かったと思います。


 市民の皆さんに自分たちの地域は自分たちで作っていくという気持ちを持っていただき、行政やNPOなどとも力を合わせて、いつまでも安心して安全に住み続けられる地域を再構築していく。
 自治協議会サミットで皆さんのお話を聞きながら、改めてそう思いました。

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