こんばんは、福岡市長の高島宗一郎です。


 来年4月からKLMオランダ航空が福岡空港からアムステルダム直行便を就航させることになり、航空会社や経済界と共に今日、記者会見を行いました。

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 この就航によって、ヨーロッパに行く際、成田や韓国の仁川(インチョン)で乗り換えていた時間のロスが激減します。ヨーロッパ直行便は、成長戦略の核に観光、交流人口増を据える福岡市にとって、様々な地域から幅広く誘客するという戦略上、極めて大きい事であり、それは九州全体にも大きな意味を持ちます。


 ところで、航空路線がどうやって決まるのか、ほとんどの市民は詳しく知らないと思います。福岡市にとって、福岡空港の維持・発展のために周辺住民のみなさんにご理解頂いたり、国と調整することは重要な仕事です。しかし今回のKLMオランダ航空の誘致は、福岡市の空港対策部だけでなく、経済界や国・県など、多くの関係者が連携し、課題の一つひとつを地道に整理していった結果なのです。
 今回の一番のポイントは、オランダのスキポール空港に到着する時間です。午後3時までに到着出来ればその日の内にヨーロッパ内70路線への乗り換えが可能です。しかし午後3時を過ぎれば過ぎるほど乗換便は減少するのです。同日にヨーロッパ各地に到着出来ないのであれば、成田や仁川で直行便に乗り換えた方が便利なケースも多くなり、福岡空港に誘致するメリットがありません。そして午後3時までにオランダに到着するには、福岡を午前10時台までに出発しなければなりません。


 本当の問題はここからです。現在福岡空港の国際線には、これ以上飛行機をとめられる場所(スポット)がありません。それから出国手続きをするにも入国管理局の人数が足りません。また、ビジネス席を中心に、安定的に客を維持できるかが、航空会社にとっては路線を継続するかの大切な判断基準になります。


 航空路線の誘致とは、このような諸問題を一つひとつ解決に向けて動かす事なのです。


 そこで10時台出発のために関係者で協議し、今から3年前まで貨物用に使われていて、現在は使用されていない、国際線の一番端にある50番スポットを活用できないか国土交通省と協議を重ね許可にこぎ着けます。さらに今度は乗客を一番端の駐機場まで運ぶバスを運行するために、仮設乗り場を作らなければなりません。また法務省入国管理局にも働きかけ、朝8時から開く入管作業を朝7時からにして頂くことになりました。
 しかし、このような下準備を進めたとしても、一番大切な乗客や荷物確保は福岡の経済界の協力無しにはできません。経済界の皆さんも思いを一つにしてで全面協力をして頂き、福岡の官民が一体となって誘致に動いたのです。いよいよ大詰めとなった9月には、経済界とオランダ航空の副社長をお迎えし、地元を挙げて歓迎しました。まさに福岡が官民力を合わせて誘致を成功させた結果です。


 KLMオランダ航空就航記者会見という華々しいニュース。しかし、実現の裏には官民あげたオール福岡体制での協力と、空港周辺住民の皆さんのご理解、また多くの関係者の努力があったのです。


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