福岡市長の高島宗一郎です。

 福岡市では未来を担う子どもたちの育成を重視していますが、英語教育には特に力を入れ、いろいろな取り組みを行っています。

 今年行っている「福岡らしい国際教育」プロジェクトの第1回発表会が、10月6日(日)に西市民センターで行われ、3つのグループの子どもたちが発表してくれました。

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 特に今年から始めた「グローバルチャレンジ イン 釜山」に参加した生徒や引率の先生の感想と成果について知りたいと思い、私も発表を聞きに行きました。
 この事業は、今年から福岡市のすべての中学校から代表者を1名ずつ、釜山にある英語研修施設「グローバルビレッジ」に派遣し、英語の夏期研修に参加してもらう事業です。
 昨年私もこの施設を視察したのですが、空港のカウンターやホテルのフロント、レストランからなんと刑務所まで、さまざまなシチュエーションがビルの中に再現されており、状況に応じて英語でどのような表現をすればいいのかを自分で考え、学び、使ってみる、ということを体験出来る素晴らしい施設です。日本ではこのような英語を学ぶための大型施設はほとんど無いと思いますが、英語を学ぶ上で大変効果があるということで、いつも多くの参加希望者で予約がいっぱいとのことです。


 今回参加し、発表してくれた中学生の皆さんからは、

・会話する中で、単語1つ1つではなく、大きく意味をとらえるようになった。
・海外の中学生とも友達になる中で、話したい、伝えたいという思いが強くなった。
・授業についていくためにも、否が応でもリスニングは力がついた。
・海外の生徒が積極的に発言していたので、負けられないと思った。
・最初は伝え方が分からないのでジェスチャーで伝えたが、細かいニュアンスなど、やはり言葉で伝えたいことも多く、自らの発信力の課題を認識した。
・夏期研修が終わってもパソコンで海外の友達と英語でメールをする関係を築けた。

など、生徒たちからはとても頼もしい感想が聞かれました。
 また引率の先生からは、
 生徒たちが日本に帰っても積極的にコミュニケーションしようとする態度が続いている、という報告もあり、大変有意義な体験になっていることが分かりました。

 私は福岡の子供たちを日本で一番英語が話せるようにしたいと思っています。英語力は、欧米はもちろん、アジアにおいても、ビジネス・学問など何をするにも必須のものです。場合によっては冷暖房もないような環境で育つ、ハングリー精神が強いアジアの子どもたちにも負けないように、福岡の子どもたちも力強く育てていかければなりません。
 
 これは福岡、日本の未来にとっても、とても大切なことです。

 福岡市では他にも、今年からネイティブスピーカー(外国人英語指導講師)による授業を政令指定都市の中でもトップクラスの時間数で行うようにしました。これは昨年度1年間、実験的に毎週ネイティブスピーカーによる授業を行った学校と、通常の年間25時間授業を行った学校とを比較すると、リスニング(英語の聞き取り)のテストで6.7ポイント差がつき、効果が高いことが証明されたためです。

 また小学生のうちから英語に親しむ教育にも取り組んでいます。先日、小学校と中学校の英語の授業を視察しました。やはり中学になると思春期ということもあり、発音練習を恥ずかしがる傾向があったので、小学校のうちに発音とコミュニケーションを練習し、心理的なハードルを下げておくことが大切だと実感しました。

 未来の福岡、日本を担う子どもたちを育てていくために、これからも教育委員会を力強く後押ししながら、福岡の子どもたちへの英語教育を進めていきたいと考えています。