福岡市長の高島宗一郎です。

 敬老の日には、福岡市内の100歳になる方のお宅を訪問して、賞状と記念品を贈呈しています。今年は月隈に住む女性のお宅へお邪魔しました。お孫さんたちも集まって下さり、皆さんと和やかにお話をすることが出来ました。

 そして今年は、個人的な話ですが、福岡市に住む私の祖母も実は100歳の記念で、福岡市と福岡市社会福祉協議会から賞状を頂く年でもありました。祖母は今でも全て自分の歯で、食欲も旺盛なんです。ほんの数年前まで万葉集を勉強しに天神まで出かけたり、俳句を詠むなど活発に活動していました。

 毎年私が敬老の日に訪問させて頂く方は、100歳とはいえしっかり会話もできます。しかし私の祖母はここ2年くらいで体調に大きな変化があり、次第に会話が出来なくなりました。歩くことも難しくなり、目を開けている時間も短くなりました。今は週二回デイケアに通っています。祖母は南区高宮に住んで70年弱。私の父も西高宮小、高宮中、大濠高、福大と、西高宮地域に育てて頂き、今の私があるのもそのおかげだと思っています。数年前に祖母がデイケアの日を間違え、送迎の車を探して一人で近所を徘徊していた時にも地域のみなさんに助けて頂きました。

 高齢になっても住み慣れた地域に住み続けられるというのはとても幸せなことですがハードルもあります。それを実現するためには地域の繋がりがとても大切になります。今こそ向こう三軒両隣。子どもの虐待防止、地域犯罪予防、お年寄りの見守りなど、自分たちの地域を自分たちで守っていく意識をどうすれば醸成していけるか。そのきっかけとして地域行事にどうやって参加してもらい、自治協議会や自治会への加入率をいかに上げていくか。あの子はどこの子、あのおじいちゃん、おばあちゃんはどこに住んでいると、地域のみんなが認識出来るようになれれば、とても大きな力を発揮することが出来ます。

 西高宮のミニパト隊は地域のみなさんが自主的に青色パトロールカーで見回りをして、見回り開始前の平成17年には年間235件だった校区内の街頭犯罪発生件数が、平成22年には95件と60%も減少しています(青パトは18年スタート)。またマンションなどが多い地区でありながらも、自治会への加入や地域行事への参加者を増やしているという成功経験をお持ちです。

「西高宮校区ミニパト隊」(平成23年度たかしまルシェ第1回HP)
http://www.city.fukuoka.lg.jp/shicho/kocho/opinion/takashimarche/takashimarushe1.html



 こういった知恵と経験を福岡市全域の自治協議会で共有できるようにしたいと考え、今年から「福岡市自治協サミット」と銘打って、先進的な各自治協の取り組みを紹介する場を作ります。福岡市の強みは、小学校の校区のほぼ全てに自治協議会と公民館があるということ。
 地域の力を最大限に引き出しながら、子どもも高齢者も障がい者もみんなにとって、安全安心で持続可能なまち、ユニバーサル都市・福岡を実現していくことが、これから最も注力すべきテーマです。