こんばんは
秋も一段と深まり、朝晩は冷えます
さて、
訪問看護ステーションで勤めていた頃、
同僚と同行であるお宅へ伺いました
出発前、同僚ナースが
「今から行く所は前立腺癌の80歳の人。引退はしているけど、前は、ドクターをしてたんやで。今は、奥さんと50代の息子と3人暮らしなんやけどね。食欲ないから点滴とバルン交換に行くで」
という情報を車で話しながら、自宅に到着
ちょっと、緊張するなあ....
ドクターかあ
「息子さん、知的障害があって、
奥さんがみてるけど大変らしいわ」
到着してインターホンを押し、
玄関ドアを開けました
すると、下着姿で座っている息子さんがいました。コミュニケーションを取るのは難しい様子で、奥さんはバタバタしています
平静を装いながら、ご挨拶をし
利用者さん(Aさん)の部屋に入って行きます
Aさんは室内を歩行器で移動していました
挨拶の後、ベッドに横になってもらいます
「〇〇と申します。今日は、よろしくお願いします。血圧と熱を測ります。パルスオキシメーターもつけますね」
その間、同僚はAさんに体調を聞きます
「先生、今日は、もう一人(私)の看護師と一緒に処置をさせてもらいます。準備が出来たら、点滴とバルンカテーテルを交換しますね。」
私が処置に使う物品を準備している間、同僚は、奥様にもAさんの様子、奥様の体調、息子さんのことも聞いていきます
「準備できたんでサーフローを先に留置して、後で、バルン交換をします」🕰
点滴は300ml、60分で滞りなく訪問は終了
本来は一人で訪問ですが、初めての所は二人で行きます
それから暫くして、
体調が徐々に悪化してきたのと、家庭の事情で自宅でのAさんの介護は難しくなり、勤務先の併設している住宅型有料老人ホームに移って来られました
一度、訪問に行ったきりで
先生に久しぶりにお会いしましたが、歩行は出来ない状態でした
さらに、食欲は低下、
水分やお粥を少量しか摂取できず、背部に発赤も出来ていました
訪問介護で清潔ケア・食事介助等
訪問看護では、全身状態の把握、点滴、バルン交換、褥瘡の処置などをしました
前立腺癌と思えないくらい、先生は痛みの訴えは少なかったように思います
初めてお会いした時、紳士的な感じでしたが、有料老人ホームに移ってからは口数も少なく、ウトウトと寝ている事が多くなっていきました
(家族と離れ、スタッフくらいしか話し相手がいてないし..身体もしんどいわなあ....)と、心の中で思っていました
個室の為、携帯電話で奥様とは話され、
奥様も来れる範囲で面会には来ていたようです
個人差はありますが、
終末期は、色々な症状が見られます
Aさんは麻薬などで疼痛コントロールが出来ていて、比較的、穏やかに過ごされていた印象です
動ける間は自宅で過ごし、家族の事情と体調の変化で自宅を離れ、病院ではなく、住宅型有料老人ホームを選択されました
どんな気持ちで最後を過ごされていたのか、そこまで踏み込んだ話は出来ていないので分かりませんが
仕事で訪問したAさんのことを、
書いてみました
長文を読んで頂き
ありがとうございました