では、S&T批判派の人がよく口にする批判を挙げて、それについて、ちょっとS&Tを擁護してあげたいと思います。
(※あくまで私的見解を多分に含みます。)
批判1:あんな、思い切りリバースピボットするようなスイング、見た目も格好悪いし、変だ。
これは僕もそう思っていました。笑)
確かに、S&Tの核心部分は、あの特徴的なスタンスとテークバックです。
S&Tと言えば、思い切り前のめりになるくらい左足に体重をかけた写真をよく目にします。ただ、あの写真はイメージを極端に示したものであり、実際にスイングをした場合にあそこまで極端に前のめりにはなりません。(無論、実際あれくらい前のめりになっても良いとは言っていますが)
あくまで、自分の中の主観的なイメージをアレくらい極端にせよ。それくらい極端にやっても、傍から見ればちょうど良いくらいだよ・・・ということです。
実際にマイク・ベネット本人のスイングをみても、写真ほどリバースピボットしているようには見えません。実にスムーズで安定感のあるスイングです。
批判2:体重移動をしないスイング理論なんてどう考えてもおかしいでしょう?飛距離も出なさそうだし。これも大きな誤解の1つですが、S&Tはかなり体重移動を重視しています。
一般的に体重移動というのがどういう意味で使われているか?というところの食い違いから誤解が生まれているようにも思えます。
S&Tはテークバックで左足に多めの体重(荷重)をかけますが、ダウンスイングとインパクトでは、そこからさらに強く左足に荷重をかけます。
重心や荷重の移動を「体重移動」といっているなら、S&Tはかなり体重移動を重視しています。
さらに、S&Tでもっとも重要視されているのは、ダウンスイングで下半身を水平移動させることです。ボディーターンによるモーメントもさることながら、腰の水平移動によるパワーも必要な要素とされていることから、体の水平移動を「体重移動」といっているなら、やはりS&Tは体重移動を重視しています。
飛距離に関しては実証が難しいところです。その可能性は大いにあると思いますが、これは各々が自分で試して実証するしか証明方法はありません。
実は、S&Tのピボット理論は、オースチン・メソッドの「オースチンピボット」の考え方とほぼ同じです。こう言えば、そのポテンシャルは感じるのではないでしょうか。
批判3:既存のスイング理論と違う、革新的なスイング理論って、そんなの今更あるわけないだろ。これは実際その通りです。ただ、マイク・ベネット、アンディ・プラマー本人がそういっている訳は無く、ほとんど周りの宣伝によって作られたキャッチフレーズという気がします。
少なくとも、僕が読んだ本のなかでは、S&Tは今までのスイング理論をベースにしており、何ら新しいものではなく、むしろオーソドックスでクラシックな理論に基づいていると書いてあります。
また、S&Tを実践するにあたり、いきなり今のスイングを全て変える必要はないとも書いてあります。
段階的に、目的にあわせて必要な部分を吸収するだけでも十分効果はあると書いてあります。(無論、すべてS&T理論で実践する方が最も効果的だと信じているが・・・と但し書きはしていますが)
これはそれだけ、S&Tが基本的な要素によるスイングメソッドであることの1つの例だと思います。
批判4:タイガー・ウッズもやってる、ベン・ホーガンも実はS&Tだとか・・・いくらなんでも強引すぎるだろこれは殆どゴルフダイジェスト社に対する批判といってもいいかもしれません。むしろマイクベネットとアンディプラマーは被害者と言っても良い(笑)
まあ、本を売るために刺激的なキャッチコピーをつけたい事情は分かりますが、タイガーがS&Tというのはあまりにも強引すぎる気がします。
ベン・ホーガンがS&Tというのも、いささか強引です。これもマイクやアンディが言った訳ではなく、周りが勝手に言っている事みたいです。
ただ、S&TのベースがTGMで、とても基本的でクラシックな要素で成り立っているなら、当然、ベン・ホーガンにもその片鱗を見る事は可能な訳で、それを言ったら、殆どの人がS&Tの要素があると言えてしまいます。
批判5:もうPGAツアーでは話題にもなってないみたいだし、S&Tを実践していた多くの看板プロもS&Tを離れたみたいだし、すでにS&Tはオワコンでしょ。ここは敢えてS&Tを擁護すると、確かにアメリカでは以前のような話題性は無くなっていると聞きますが、それは単にブームが過ぎて落ち着いただけのことで、むしろ過剰にブームを煽ったのはマスコミによるものです。
ブームが去ったからと言って、S&Tの優位性や有効性が失われる訳ではありません。アマチュアにとっては、今でも普遍的で有効な理論と言えるでしょう。
PGAツアーでS&Tを実践していた多くのプロはマイクとアンディーの元を離れたようですが、好意的に見るなら、むしろS&Tの要素を吸収した上で、1つ上のステージに上がったとも言えます。要するにS&Tから卒業したのです。
S&Tはアマチュアにこそ有用な理論だと思います。ツアープロのように、高いレベルを持っていても、意外に基本的な部分で不十分だったり、誤解していたりという人は少なくないようです。
そういうプロがS&Tを初めて知ったときは、それは目から鱗が落ちた事でしょう。
ただ、もともと高いレベルを持っている人たちですから、それを会得してしまえば、物足りなくなり、次のステージを求めるのは道理だと思います。
批判6:The Golfing Machineの粗悪なパクリ。この批判はTGM系のインストラクターやマニアからよく聞く気がします。
ただ、DVDなどをみているとマイク・ベネット本人がTGMについて言及したりしていますから、TGM理論をベースにしていることは明らかです。
だから、勝手に剽窃したとか、TGMのパクリといった批判は的外れだと思います。そもそも、TGMはスイングのカタログであり、リファレンスできるようにまとめただけであって、実際にHow to に関してはゴルファーやインストラクターの判断に委ねられています。
S&Tはその中で、自分なりのHow to の1例を示しているだけというのが僕の解釈です。
アンディとマイクの
「スイングは色んな解釈があって良い。重要なのは「基本」と「好み」をしっかりと分けて考える事だ。」
という考え方は非常に好感が持てます。