「はらぺこあおむし」で有名な、
エリック・カールさんが亡くなりました。
みなさんご存知のとおり、
僕は絵本が大好きでして
もう大の大人なのに絵本もよく買うのでね
今日はその絵本について書こうと思います。
大学の頃の話ですけども。
数学科の授業は、とても刺激的でした。
毎日ものすごく刺激的で、楽しかった。
僕は頭悪すぎるので、
高度すぎて全然わからなかったけれど笑、
本当に刺激的で楽しかったです。
おもしろかった授業、
心に残った授業、
たくさんあったけれど、
やっぱり一番は、大西先生の授業が
大切な想い出として残っています。
大西先生は、
坊主頭で、ちょっと禿げかかっていて
眼鏡をかけていて、
いっつも帽子をかぶって
教室に入ってくるのでした。
福島県出身の数学者。
だから言葉もなまっていて、
同じ東北人として、
すごく親しみがありました。
授業が終わったあと、
「みなさんこのあと、
一緒に飲みに行きませんか!?」
と、夜の神楽坂へ学生を連れ出すような、
そんな素敵な先生、数学者でした。
ある日の授業で
「みなさん、
こんなこと思ったことありませんか?」
大西先生が突然切り出したのです。
「子どもの頃って、
過ぎていく時間がとても長く感じますよね。
小学校の6年間とか、
もうすっごく長いでしょう?
もうすっごいゆっくり。
でも年を取ると、
6年とかもう最近のことですよね笑
一年なんてあっという間!
これ、すごく不思議だと思いませんか?」
大西先生がチョークを置いて、
みんなにそう話しかけた。
まあ、確かに。。
子どものころって
すっごく時間が流れるの遅いよなあ...
「私、この間の国際学会に向かう飛行機の中で、
たまたま隣の席が、
知り合いの脳科学者だったんです。
それでこのことを、彼に質問してみたんですね」
みんな、どんな答えが返ってきたんだろうと
食い入るように大西先生を見つめていました。
「子どものころというのは、実は人間は、
この世の本当にいろんなことに
感動しているのだそうです。
だから、感激で胸がいっぱいになって
時間がゆっくり流れているんだそうなんですね。
でも大人になると、
この世のものが当たり前になってきて、
感動や感激がなくなってくる。
だから、あっという間に
時間が過ぎていくんだそうなんですね。
彼が私に、そう教えてくれました」
そのあと大西先生は、
一生忘れられない言葉をいいました。
「みなさん、
どうかあなたの人生を
“ゆっくり”生きてください。
多くのことに感動・感激して
生きていってください。
人生の時間を遅らせる方法を、
見つけてください」
僕は大学4年間で、
あの瞬間ほど感激したことはありません。
本当に胸が震えたのでした。
死ぬまで忘れないだろうなと思います。
まさにあのとき、
教室の時間は、ゆっくり流れていました。
「しんちゃんは、感動屋さんだ」
「ふじい先生は、感激屋さんだ」
「しんくんは、感動ばっかりしてる」
ってよく言われるけど、
いや、もともと感動屋だったとは思うけど、
あのときの大西先生の言葉が、
自分にポジティブに影響してるんだなとは
今でも思います。
大西先生に出逢うまでの自分を、
自分の感性とか生き方を
なんだか肯定してくれた気がして、
すっごく嬉しかったし。
だから、
数学、
宇宙、
バスケ、
音楽、
アート、
自然、
本、
人、...
とにかく色んなことが大好きなのかな。
大西先生ご自身にとっては、
数学をしている時間が、
一番人生がゆっくり流れているときなんだろうなと思います。
そんなふうに、
自分の好きなことに夢中になるのもよし、
仕事が大好きな人は、
それに打ち込むのもよし、
好きな人、大切な人と
一緒に過ごす時間を大切にするのもよし、
どんなふうに生きるかはその人の自由ですから
「別に時間を遅らせなくてもいいです」って人は
それはそれでいいんだと思いますが笑、
僕は大西先生の言葉を大切にしたいと思っています。
大西先生も、僕が死ぬほど影響を受けた人の一人です。
で、思うんですよ。
絵本作家って、
純粋で、
飾り気がなくて、
自然で、
単純だけど深くて、
でもときに単純じゃなくて、
視点がものすごくて、
いつまでも子どもみたいで。
そう考えると、
絵本作家って
一番、
人生の時間を遅らせる方法を知っている人たちなんじゃないか、って。
だから俺、
絵本が好きなのかな、って。
エリック・カールさんの御冥福を
心からお祈りいたします。
あなたの絵本が、大好きでした。

