続いてゆく | 住民票を冥界へ

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煩悩フルで解放です。

2月17日。

5年間一緒に暮らした相棒がこの世を去った。

帰宅時には既に立てる状態になく、抱き上げるとひゅーっと長い息を吐き、そのまま私の腕の中で息を引き取った。

理由はいらない。
彼はもういない。

しばらくは泣いて暮らしたが、立ち直らなければいけなかった。
私は一人で、体を生かしておかなければならないのだから。

そして里親の公募から、引き取り手のない生まれたての仔ウサギを育てることになった。

今夜も私は、異常なほどになつっこい小さな仔を膝に乗せ、喪失感を慰めている。
生後2ヶ月に満たない仔ウサギは当たり前に愛らしく、心を癒してくれる。


軽薄だと言えばそうだろう。
それでも、これがこの世で私が生きてゆくということだ。

愛して、失い、どうにか自分を立て直す術を探し、それを愛し、また失い…
そうやって繰り返す他に、私は生き続ける術を知らない。

今、そばにいてくれる小さな安らぎへ。
死ぬまで手放さない、そして愛すると約束する。

過去、そばにいてくれたかけがえのない相棒へ。
生きている限り、けして忘れないと誓う。

私にできることはそれだけだ。