感謝
まりちゃんが日本一になった。9年振り3度目の日本一。凄いね。環境がガラリと変わってからのこの1年間。どんな思いで戦ってきたんだろう。色々大変なこともあったんじゃないかな。あたしの安易な想像では追い付きもしないけど。もともと弱音は吐かないし。簡単に泣きもしないし。でもにこにこしてるけど超×1億負けず嫌いなとこはあって…だからといって苦しい時もしんどい顔は絶対しないし。怒りもふてくされもしない。いつも誰かのために動いてて人に気を遣わせないようにって気を遣いまくっているような人で。どんな時もどんな人にも優しくて謙虚で。顔も心も穏やか…ほんとんとこはわかんないけど。いつもフラットなとこにいるから一緒にいて居心地がいい。そんな子だからさ。踏ん張り方もきっと並大抵じゃなかったってことくらい、わかる気がしないこともない。何故、彼女は異質に感じるのか。日本一は毎年生まれるけど…何故か彼女だけ別の次元にいるような。そんな特別な感じを抱いてしまう。今まで言葉ではうまく表現できなかったけど…先日、陶芸家のくみさんが使った言葉に答えを見付けた気がした。「楚々」そう、これだ。日本一っていうバケモンに「楚々」と挑み続けている感じ。やっとしっくりくる言葉に出会えたな。彼女が積み重ねてきたことは彼女にとったら当たり前のことなんだろうけど。それはそれはあたしなんかにしてみたら反吐が出そうな追い込み方だと感じる。誰に見られるわけでもなく。誰と比べるわけでもなく。ただ、自分に必要なものを自らに課し、自身と戦う。そんなしんしんとした強さを感じる。たまにトレーニングの動画を送ってくれるんだけど、見ているだけで息がつまりそうになる時がある。本当にすごいことをやっている。とにかく……すごいことをやり続けている。そんでたまに挑戦状を叩きつけてくる( ˙-˙ )そもそも挑戦状って…強そうな人に送るもんだけど。まりちゃんは勝ちたがりだから。しかたがない( ˙-˙ )だから私は、まんまと負け試合に挑む。それもあたしの楽しみで。まりにとったら息抜きになればいいかなって思ってやっている。ここ数年、あたしなりに頑張ったり、踏ん張ったりすることが多くて、なんやかんやと命を燃やしている。その中で、何か苦しいことがあると、彼女を思い出す。こんなとこでへばってられっか。そう自分に喝を入れれるようになった。諦めそうになると、彼女を思い出す。きっとあたしにだってできるよ。そう自分に自信が持てるようになった。強さの中にはきっと優しさがあって。本当に優しい人は穏やかで強いんだって、そう彼女から学んだ。あたしは若い時に日本一にならせてもらったから、未だに日本一って何なんだろうって模索している。あの頃の私は、日本一を背負えてはいなかった。今だって答えが正直わからない。いつだって剣道に自信が持てない理由は、ここにあるのかもしれない。だけど、彼女の生き方や人柄、そして努力の一片を知ることで、少しは前に進めてる気がする。先日、まりちゃんの剣道セミナーを開いた。子どもたちの目がキラキラしていた。夢と希望にあふれて幸せな気持ちになった。私もまりも都道府県、選手権、東西対抗と、全力で駆け抜けてきて…一息もつかずのセミナーだった。それでも、あたし達だからできることを、心を込めて全うしていくこと。それが日本一の宿命なんじゃないかって。そう思って、やりきった。そしていつだって感じるのは、子どもたちをはじめ、セミナーに参加してくださる多くの方々や影で支えてくれる保護者の皆さん、そして姫達から全力の愛をもらって…元気や勇気をいただいているのは私達の方だってこと。そのことに気付かされる。だからこそ感謝に帰る。まり、あらためて日本一おめでとう。日本一があなたみたいな人で嬉しいです。心から尊敬しています。そして、心から感謝しています。よく、頑張ったね。