2010年、ガンバ大阪では26試合出場7ゴールと活躍し、2年目でまずまずの結果を残した。だが、U-19日本代表では目標を達成できず、涙を流す結果に終わった。
―′氏A中国で行なわれたAFC U-19選手権では準々決勝で韓国に敗れ、2011年U-20W杯の出場権を逃がした。
「あれは、悔しかったですね。自分は、韓国戦の時のように逆転されて厳しい状況になった時に何かをする、流れを変えていける選手として期待されて行ったのに、何もできんかった。チームの完成度はまだまだやったけど、自分もチームを引っ張っていけず、技術的にもまだまだやなって痛感しました」
U-20W杯の出場権は逃したが、宇佐美の世代は「プラチナ世代」と称され、小野伸二、遠藤保仁ら黄金世代よりも全体のレベルが高く、優秀な人材が豊富と言われている。
――「プラチナ世代」って呼ばれることは?
「そんなん、他人事ですよ。ほんまに聞き流しています(笑)。俺は別に『プラチナ世代』とか思わないし、いちいちそんな評価に流されているようじゃダメでしょ。俺は上のレベルを見て、自分と比較して、どんだけレベルアップできるかということを考える方が大事やし、そうして今までもやってきたんで」
少しムキになって話す姿が微笑ましい。だが、2011年はロンドン五輪の予選がスタートし、引き続きカテゴリー別の代表の活動が活発化していく。
――ロンドン五輪への意識は?
「ロンドン五輪は、意識しているし、もちろん行きたいけど、今はA代表でやりたい。A代表を目指して行ったら、自然とロンドン五輪代表にも入っていけると思うんですよ。だから、A代表でプレイして、最終的に五輪代表に入る。で、ロンドンで活躍して欧州への道を開くのが、ベストやと思っています」
――五輪組の同世代は気にならない?
「(原口)元気くん(浦和レッズ)とはよく比較されるし、大迫(勇也/鹿島アントラーズ)くんとかどうですかって、よく聞かれるけど、正直、うっとうしくてしょーがない。だから、『意識してない』っていつも言ってますもん。けど、『ライバル視』って新聞とかに出るんすよ。自分は、上の世代を見て、そこに到達できるように頑張っていくタイプなんで、同世代とかほんまに意識しない。ただ、試合の時は意識しますよ。米本(拓司/FC東京)くんとか、押さえられるのは嫌なんで、その時はブチ抜いたるって思ってプレイしてます」
12月には、アジアカップの予備登録メンバーに入り、念願の日本代表入りも近付きつつある。
――ザッケローニ監督が率いる日本代表は、どう見ている?
「まだ、入ったことがないんで、イメージできないんですけど……入ったらどんなことができるんやろって思うと楽しみですね。何が通用して、何を感じられるのか。香川(真司)さんともやってみたいですけど、まずは代表に入って、いろんなもんを肌で感じてみたい」
――日本代表を含め、自分の将来のヴィジョンとか考えたりしている?
「してますね。まずは、A代表に入って、ブラジルW杯に出て、そこで活躍する。そして、欧州のチャンピオンズリーグに出られるレベルのチームに行く。そのチームで活躍して、欧州のチャンピオンズリーグで優勝争いをするようなトップチームに行く。そのためには、ブラジルに行くまでの3年がすごく大事になってくるんで、ガンバでしっかり結果を残していきたいと思う」
技術もあり、考えてサッカーができる。自己分析に長け、ヴィジョンもある。それがガンバユース史上「最高傑作」と称される所以(ゆえん)なのかもしれないが、一方で10代の天才は大成しにくく、消えていく選手も多い。
「自分は、そういうふうになりたくないし、自分がそうやと思っていない。俺は、自分が天才じゃないのを自覚しているからね。努力した結果、センスを身に付けられただけで、もともと生まれ持ったセンスなんてシュート以外、何もない。ボールタッチとかパスとかキックの精度は、間違いなく努力の結果やと思いますからね。だから、これからも努力を続けるだけっすよ」
――そんな自分が好き?
「自分?? う~ん、自分は……サッカ-選手ですけど、ボールを取ったら何も残らへんことはわかっています。それをわかっているのが好きやし、サッカーしかできんと思っていることが好きですね」
プレイの凄さはもちろん、キャラクターの魅力もある。散歩が趣味で『KARA』や『少女時代』が大好きな18歳は、2011年、どんな“宇佐美伝説”を描いてくれるのだろうか。
佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
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