長きにわたり癌を患っている従姉妹が
癌が脳に転移してしまい
大手術を受けることになったので
お見舞にいってきた
記憶障害 意識障害も出ていると
叔母から聞かされていたので
それを心にとめながらいったのだが
従姉妹は
いつもとかわらない従姉妹で
嬉しかった
30分くらいで
おいとましようと
思っていたのだが
従姉妹が
まだいて まだいてと
言ってくれるので
面会時間が過ぎる頃まで
ゆっくり4時間も
一緒に和やかに過ごした
6歳年上の従姉妹は
従姉妹と言っても
ほんとの姉のような存在で
わたしの頼りになる
知恵袋的な存在でもある
母が亡くなってからは
暖かい叔母と共に一緒になって
わたしを支えてくれた
わたしの具合が酷く悪い時も
彼女も抗がん剤治療で
辛い時だったのに
自分のことよりも
わたしのことを心配してくれ
どんなに慰められたかわからない
今回のお見舞も
大手術の前だというのに
柔らかな美しい笑顔で
迎えてくれて
体の具合はどうなのか
無理してないのか
辛いことはないのかと
わたしのことばかりを
気にかけてくれるので
嬉しくもありほろ切なかった
未熟なわたしは
そんな従姉妹をまえに
たらたら ぐちぐち
甘えてしまったのだが
従姉妹は
‘’ 家に帰ったら
白雪姫ちゃんはひとりなんだから
吐き出したいことは
いま全部吐き出していきなさい
‘’

夕食になった頃
従姉妹がずっとpartnerとして
おつきあいしている男性が
いらっしゃり
3人で一緒に時を紡いだ
初めてお会いするその方は
無駄な事をいっさい喋らない
上品で落ち着いた寡黙な大人の男性で
ほんとうに
素敵な方
だった


そして
二人の落ち着いた
大人の男女の会話のやりとりと
雰囲気がとても
粋
だった


従姉妹も男顔負けの仕事を
バリバリこなしてきた人なのに
‘’ 男が社会で働いて
生き抜いていくのは
大企業ならなおさら
頭のいい人が揃っていて
その頭の良さで策を労してくるから
生き馬の目を抜く大変さがあるのよ
男に生まれなくて
ほんとよかったわ
‘’

と従姉妹が
いたずらっぽく
微笑みながら言うと
その男性は穏やかに
うっすら微笑んでいた
来週また
フルーツを
一緒に食べる約束をした 

千疋屋さんで美味しいフルーツ
買ってくるからね 


