ミャンマーの田舎町カローの山々は
カローは山々に囲まれた田舎町。
連なる山には畑が点々と見え、いろんな少数民族がそれぞれ村をつくって住んでいる。言葉も食事も服装も様々。
そんな少数民族達の村々を回るトレッキングに参加した。

野良犬がおとなしくて
子供達がちょっぴりシャイで
少年が硬派に育つところ
ミャンマーの一人旅はたったの5日間。首都ヤンゴンから湖が有名なインレー、山奥の田舎町カローを回った。
白雪が一番好きだったカローについて書こうと思う。
カローは山々に囲まれた田舎町。
連なる山には畑が点々と見え、
そんな少数民族達の村々を回るトレッキングに参加した。
あまりに急な計画だったため人数が集まらず、白雪の参加したツアーグループの人数は全部で2人!つまり、白雪とガイドのお兄さんだけ。
写真がガイドのボーランくん。18歳。山の村の一つに住んでいる彼は、少数民族の言葉を5種類も話せるのでアルバイトでガイドをやっている。白雪のためにご飯をつくってくれたり、自腹でお茶をごちそうしてくれたり、マーケットで果物を買ってくれたり、最後は空港まで送ってくれたり、とツアーには含まれていないことまでたくさん気を遣ってくれて、喜ばせようとしてくれた。
正直で誠実で硬派で一生懸命で…素敵な男の子だった。
白雪がもっと若かったら本気でアタックしていたかもしれない、なんて。
正直で誠実で硬派で一生懸命で…

開始早々トレッキングを舐めていたことを反省する白雪。勾配は思っていたよりも急で、雨季のため濡れた泥で道はぐちゃぐちゃ。
歩く度に足がはまってしまったり、滑りそうになったり、前に進むのがやっとなのに、山の男ボーランくんはすいすい前に行ってしまう。彼は英語がちょっと苦手なこともあって寡黙なので会話をしながらわいわい登るというわけでもない。
白雪は何度も立ち止まりながら、3時間ひたすら真剣に山を登った。山を登りながら考え事をして時間を有効に使おうとしたけれど、足元に気を付けながら前へ前へ進むことだけで頭のなかがいっぱいになってしまう。なにか思考を深めようとしても、物事の表面を何度も何度も繰り返すだけ。とても生産的な時間とはいえなかった。
生産性、といえばある社会人の旅人に聞いたのだが、社会に出てから一層生産性に敏感になるという。いま自分のしていることがお金を生み出しているかどうか、何かに貢献しているかどうか考えざるを得なくなると。白雪はまだ学生だからその重みが分からない。きっと生産性を気にしながら過ごす毎日は、進むスピードを圧倒的に変えて、見える世界もぐっと広がり深まるのだろう。何かを代償にしながらも、それは生きるためにそれなりに価値のあることなのだ。生産性の圧力から逃れられる学生最後の夏に、白雪はふらふらと旅をして、ただただ山を登っていた。
生産性、
そそり立つ泥だらけの坂道を前にするたびに、うっと身構える。無理だよ…と思うけれど一歩、一歩足を動かすことを繰り返すだけで、気付けば登り切っている。結局そういうものなんだなぁと当たり前のことを当たり前のように思った。千里の道も一歩からね。
息もゼイゼイ一つ目の山の頂きに到着し、休憩をとっていたとき、ボーランくんに今日のルートを聞くと、「これからこの山を下って、あの山を登ってランチして、そのあと隣の山を登って降りて、もう一つ隣の山の頂まで移動したらそこで一泊だよ。」
と答えられて愕然とした。一つ山を登っただけで体の節々が痛くなっていたのだ。その体のどこに節があるのって言うかもしれないけど。とにかく一日に四つ山を登るというアイディアは気が狂っているとしか思えなかった。
それでもちゃんと一つ目の村でランチを食べて、夕方頃には宿泊地に到着した。歩いてるときは照りつける陽射しに吐きそうになり、突然の豪雨に体が凍え、もはや苦行でしかなかったけれど、振り返ってみると大したことない。白雪の今までの人生のなかで乗り越えてきたちっぽけな苦難も結局ら全部そんな感じ。
